経営コンサルティング業者、倒産過去最多へ
生成AIの急伸は、コンサルティング業界を揺さぶっている。
帝国データバンクの調べによれば、2025年の経営コンサルティング業者の倒産件数は、10月までに146件。年間最多とされた2024年(1年で159件)を上回るペースで推移している。
特に資本金「1000万円未満」の割合が8割超を占めるなど、小規模な事業者を中心とした失速が目立ち、規模の拡大が続く大規模事業者との価格競争も、その背景にあるものと見られる。
特需終了、そして生成AIの影響も
経営コンサル業界では、コロナ禍前後にかけて業務プロセスの見直しや自動化ツールの導入といったDXの推進や、リモートワーク体制の構築など、業界全体で“特需”が発生した。国内の市場を売上高ベースで見れば、2021年度以降は前年度比1割前後の成長を続けており、着実な成長を遂げてきた分野だ。
一方で、2024年度は前年に続き4兆円市場を維持しつつも、前年度からの伸び率は3%以下となった。業界全体としても、伸び悩みの様相を示しているようだ。
近年の需要増を見込んで積極的に採用した企業では、期待した稼働率を確保できずに収益が悪化。海外に目を向けると、大規模レイオフに踏み切る例も出はじめている。
また帝国データバンクは、生成AIの進展が業界構造に大きな影響を与えている点にも言及している。従来、経営コンサル事業者が手がけてきた「データ収集」「分析」といった業務の一部が、生成AIで代替可能になりつつあり、クライアントに“付加価値”を示せる企業か否かの選別が加速しているという。
帝国データバンクは今回の調べについて「高度な専門性を持つ経営コンサル企業とそうでない企業との選別が、今後より進行するとみられる」と分析する。“AIでは代替できない価値”を示せる企業かどうかが、いっそう重視されていきそうだ。









