エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のアート散歩 第40回

サービス、サービス! 『新世紀エヴァンゲリオン』30周年記念展「ALL OF EVANGELION」を六本木の東京シティビューで堪能しよう

文●玉置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)では、11月14日から2026年1月12日まで、30周年記念展「ALL OF EVANGELION」を開催する。

 同展では、1995年10月4日にテレビ放送が開始された『新世紀エヴァンゲリオン』から『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に至るまで、『エヴァンゲリオン』シリーズのセル画、制作資料を公開し、東京シティビューに広がる壮大な景色とともに「エヴァンゲリオン」シリーズの魅力を堪能できる。

 オンタイムで最初の放送から、再放送、劇場版、漫画と、気が付けばコンプリートで視聴。それぞれ二巡はもちろん、多いものとなれば何回観たかわからない筆者も、11月13日のプレス内覧会に駆け付けた。

藤田ニコルさん。日没後のエントランスで。©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

原画など、実際に放送された映像の制作資料が並ぶ。序章から。©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

六本木ヒルズ内の会場入り口で筆者もパチリ。©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

 国内外で人気を誇る『エヴァンゲリオン』シリーズは、1995年10月4日にTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』が放送開始となり、2025年で30周年を迎える。

 本展では、これまでまとまって展示されてこなかったTVシリーズの色鮮やかなセル画や、緻密に描かれた『新劇場版』の原画など、作品の根幹にかかわる貴重な制作資料を展示する。

 さらに、『新劇場版』で採り入れられたデジタル制作資料も初展示し、今もなお世界で愛される『エヴァンゲリオン』の魅力を、耳と目と脳で感じる“祝祭”空間が広がる。

 エヴァンゲリオン初号機の大型フィギュアが印象的に展示されたフォトスポットのエントランスから始まり、シリーズの原点であるTVアニメの設定や『新劇場版』の原画など、実際に放送された映像の制作資料がこれまでにない規模で展示され、壮大な世界観がどのように作られたのか、その一端を垣間見ることができる。

 壮大なエヴァンゲリオンの世界を時系列で一気に見ることができ、選び抜いてもなお膨大な量の制作の熱量、工夫、アートに圧倒される。原画に書き込まれた様々な指示にはクリエイティブの裏側を見る思いで、一枚一枚惹き込まれる。展示空間の抽象的な組み立ても世界観にマッチしており、壁面の色彩や、力を持つ有名な言葉やフォントも相まって鑑賞しながら世界の一部になっていくような快感がある。

 2025年11月13日のオープニングセレモニーでは、藤田ニコルさんが登場人物のアスカをイメージした深い赤色のワンピースで登場。

「気持ちはアスカです(笑)。『エヴァンゲリオン』の赤色は少しダークな色味のイメージがあるので、衣装もシックな色を選びました!」と愛があふれるコメントでトークがスタート。

 開幕より一足先に展覧会を楽しんだ藤田ニコルさんは、「展示数もすごいですし、アニメでは観ることのできない角度や細やかな設定……。ここの部分ってこうやって作られていたんだ! みたいな、ここでしか観ることができない部分まで感じられて嬉しかったです。楽しくて時間が足りないほどでした。私はアニメも映画も3周は観ているんですけど、もう一度観返したいと思いました!」と興奮冷めやらぬ様子。

 TVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』の放送開始は1995年。藤田ニコルさんを始め、開始当時は生まれていない若い世代からみた『エヴァンゲリオン』の魅力を聞かれ、「初めて作品を観たときは、良い意味で癖が強くて。一回では理解できなくて何回も観返しました。そういった“沼”みたいな魅力があると思います」と語った。

 セレモニー後半には、東京会場限定の照明演出が披露され、「かっこいい……すごく素敵です。初号機の後ろには東京タワーが見えて、そのコントラストも素敵ですね!」と幻想的な景色を前に感動。

 最後に、藤田ニコルさんに本展の開催に向けたメッセージを問うと、

「『エヴァンゲリオン』が好きな方はもちろん、これから作品を知りたいと思っている方にも楽しめる展示だと思いました! ゴージャスな雰囲気だから、おめかししてきてほしいです!」とコメントし、本展への来場を呼び掛けた。

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

エントランスと4つの章で
『エヴァンゲリオン』の世界にダイブ

 1995年のTVシリーズ放送で社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』。テレビ東京系列のネットワークで放送された。この時間帯(水曜日の夕方6時30分枠)は、一般的に「夕方アニメ枠」として知られ、当時のテレビ東京系列が、現在の全国ネット体制と比べて放送エリアが限られていたため、当初は全国民のごく一部しかリアルタイムで視聴できなかった。

 しかし、その革新的な内容と完成度の高さから大きな話題を呼び、放送終了後も深夜や地方局で再放送が重ねられ、カルト的な人気から社会現象へと発展していった。

 2007年からは、企画・脚本・総監督:庵野秀明による『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとして再始動し、『:序』『:破』『:Q』の3作が公開されて大ヒットを記録し、常に新しいファンを獲得し、幅広い層から支持を受けてきた。

 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は新劇場版シリーズの第4部であり、完結編となる。 2021年3月8日に公開し、最終興行収入102.8億円、観客動員673万人を記録した。現在、Amazon PrimeVideoにて見放題独占配信中。 

■『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ興行収入 
・2007年9月1日公開『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』/興行収入 20億円 
・2009年6月27日公開 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』/興行収入40億円 
・2012年11月17日公開『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』/興行収入53億円 
・2021年3月8日公開『シン・エヴァンゲリオン劇場版』/興行収入102.8億673万人

【エントランス】

 会場エントランスは、六本木ヒルズ森タワー52階に位置し、東京タワーや東京湾などの絶景を望む。入ったところには、重厚感あふれるエヴァンゲリオン初号機フィギュアが登場。日没後は東京会場限定の照明演出で、30周年の「祝祭」を華やかに彩る。

※以下の各章の説明はプレス資料から紹介

エヴァンゲリオン初号機の大型フィギュアが印象的に展示されたフォトスポットのエントランス。©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

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エントランスに掲げられた株式会社カラーの「ごあいさつ」。庵野秀明氏の直筆のあいさつも

【序章 胎動】
 1995年10月4日に放送が始まったTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』は、放送が始まる前から膨大な試行錯誤が重ねられた。本章では、アニメーション制作時に用いられた、作品の設計図ともいえる「設定資料」をもとに、『エヴァンゲリオン』シリーズが産声を上げる前夜を垣間見ることができる。

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

【第1章 始動】
 『新世紀エヴァンゲリオン』が放送された当時、アニメーション制作には「セル画」が用いられていた。セルと呼ばれる透明なフィルムに絵の具でキャラクターや造作物を描いたもので、目や口だけなどのパーツに分けられ、連続した滑らかな動きを表現するために使われた。本章では、アニメや特級の資料を管理、保全することを目的に庵野秀明が設立したNPO法人「アニメ特撮アーカイブ機構」協力の下、現存する合計1万カット以上から厳選された貴重なセル画を約 270点展示する。

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

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【第2章】
 「音」にもこだわって作られた『エヴァンゲリオン』。本章では声優陣の貴重なオーディション音声の一部や、フィルムの設計図ともいえる画コンテ、印象的なカットと葛城ミサトのナレーションが組み合わさった予告映像の総集編を紹介する。各話約30秒の予告からは、当時の視聴者が感じた期待感が伝わってくる。

【第3章 躍動】
 『新世紀エヴァンゲリオン』放送開始から12年後、2007年に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が公開された。その後、『:破』『:Q』と公開されるにつれ、物語は『新世紀エヴァンゲリオン』とはまったく異なる展開を迎える。本章では、クリエイターの思いや繊細な筆致が分かる手描きの原画やレイアウトのほか、デジタル上で制作されたメカや背景が融合し、前人未到の映像美が生み出されていく様を紹介する。

【第4章 結実、そして新たな鼓動】 

 2021年に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』により、2007年公開『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より始動した『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズはひとつの結末を迎えた。手描きのアニメーションからデジタル制作、そして実写の手法も取り入れて進化し続けた本シリーズがどのように結実を迎えたのか、完結作の設定資料や原画などをもとに辿る。

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

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【EVANGELION STORE】
 併設のオフィシャルストア「EVANGELION STORE」では、展覧会のオリジナルグッズを多数販売。特に、本展描き下ろしの限定グッズは必見。

※オフィシャルストアは、本展のチケットを持つ人のみ入店可能。

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

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【THE SUN & THE MOON(Cafe)】
 展覧会会場に隣接するTHE SUN & THE MOON(Cafe)では、本展の開催を記念して作中の登場人物などからインスパイアされたオリジナルメニューを提供。東京会場限定の特別なコラボレーションメニューが楽しめる。

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

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©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA 製作委員会 ©カラー

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開催概要

展覧会名:30周年記念展「ALL OF EVANGELION」 
会期:11月14日~2026年1月12日
会場:東京シティビュー
   東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
開館時間:10時~22時(最終入館21時) 
会場サイト:https://allofevangelion-ex.roppongihills.com/

■チケット情報
チケット注意事項 
※4歳未満は無料
※障がい者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、愛の手帳、被爆者健康手帳)の提示で、手帳保持者1名、介助者1名まで無料。日時指定券の申し込みは不要。直接来館のうえ、「美術館・展望台チケット/インフォメーション」(六本木ヒルズ森タワー3階)にて障がい者手帳を提示のこと
※ぴあ、東京シティビューオンラインチケットでは各日20:45まで購入可能。(各入場時間枠、枚数に達し次第販売終了) 
※本展は事前予約制(日時指定券)を導入
※一度購入した本展チケットのキャンセル・券種変更・日時変更・払い戻し・再発行は一切不可
※展望台エリアにも入場できる

●オンラインチケット※日時指定制 
料金:一般 2200円/高校・大学生 1600円
   4歳~中学生 1000円/65歳以上 1900円(税込) 
入場時間:10時/11時/12時/13時/14時/15時/16時/17時/18時/19時/20時
 ※チケット記載の入場時間から1時間以内に入館
販売期間:9月25日10時~2026年1月12日 20時45分
販売場所:チケットぴあ東京シティビューオンラインチケット 

●当日窓口チケット※日時指定制 
料金:一般 2400円/高校・大学生 1700円
   4歳~中学生 1100円/65歳以上 2100円(税込) 
入場時間:10時/11時/12時/13時/14時/15時/16時/17時/18時/19時/20時
 チケット記載の入場時間から1時間以内に入館
販売期間:11月14日10時~2026年1月12日20時45分
販売場所:チケットカウンター
     券売機(六本木ヒルズ森タワー3階)

●「あの日、14歳だったあなたと、いま、14歳のきみに。」キャンペーンチケット 
 主人公たちの年齢である“14歳”にちなんで、1995年に14歳だった人と、2025年に14歳を迎える人を対象とした、期間限定の特別チケット。
 
1. 「2025年に14歳になるきみに。」割引チケット(当日分のみ) 
料金:500円(税込) 
対象:2025年4月1日~2026年3月31日までの期間に満14歳になる人
 ※2010年(平成22年)4月2日~2012年(平成24年)4月1日生まれの人
販売期間:11月17日10時~11月30日17時45分
入場時間:10時/11時/12時/13時/14時/15時/16時/17時 
販売場所:チケットカウンター(六本木ヒルズ森タワー3階) 

2. 「1995年に14歳だったあなたへ。」割引チケット(当日分のみ) 
料金:1000円(税込) 
対象:1995年4月1日~1996年3月31日までの期間に満14歳だった人
 ※1980年(昭和55年)4月2日~1982年(昭和57年)4月1日生まれの人
販売期間:11月17日10時~11月30日20時45分
入場時間:10時/11時/12時/13時/14時/15時/16時/17時/18時/19時/20時 
販売場所:チケットカウンター(六本木ヒルズ森タワー3階) 

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