SerialTec Japan「Panoplia Powered by msi R7B65507TPM3D」レビュー
重装歩兵の完全武装というカッコいい名を持つゲーミングPCを知ってる?安心の国内製造、国内サポートで信頼性も抜群だ!
ほぼMSIのPCだからユーティリティもMSI CenterひとつでOK
「Panoplia Powered by msi R7B65507TPM3D」がMSI製パーツで固めた点で、運用面でもメリットがあるので紹介しよう。昔からマザーボード、ビデオカード、それぞれユーティリティが付属し、ソフトウェア的に設定・調整していたのは多くの自作PCユーザーが経験されているだろう。また、自作PCパーツがベースのデスクトップPCは未経験という方も覚えておいてほしい。このあたり、10年くらい前からだろうか、各社「統合ユーティリティ」という設計思想を盛り込み、同じメーカーのマザーボード、ビデオカードであれば統合ユーティリティひとつで管理できるようになってきた。ここは昔と比べて便利になったところだ。
さて、ここ数年、ゲーミングPCではARGB LEDを搭載し、華やかな演出を行うようになってきた。マザーボードやビデオカードももちろんARGB LED搭載のゲーミングマザーボードが多数あるが、ほかにもPCケース、メモリ、水冷/空冷CPUクーラー……といったパーツにもARGB LEDが搭載されるようになった。なんならLCDパネルを搭載するものもある。ある程度ならユーティリティのソフトウェア互換性でなんとかなるものもある一方、対応しきれず別個にユーティリティを導入している方も多いだろう。管理が煩雑になるだけでなく、ソフトウェア的な干渉によって安定性に影響が出ることもある。
「Panoplia Powered by msi」はMSI製品中心なので、ユーティリティはMSI製の「MSI Center」ひとつで済む。電力設定、冷却(ファン)設定、LED設定をはじめ、ネットワークではアプリごとに優先順位をつけて速度を確保したり、ゲームプレイ時にWindowsキーのON/OFFを制御したりと「統合」と言うだけあって多機能だ。もちろんドライバやファームウェアのアップデート機能もある。なお、本製品のLED制御はフロントパネルのLEDボタンで行い、手軽に変更できるのがメリット。右側面パネル内のLEDハブに接続されているためで、これをマザーボード上のARGB LEDヘッダーに繋ぎ変えればMystic Light制御とすることも可能だ。とはいえ、きれいに配線されているのでそれをバラすのも惜しい気がする。
サンプル機では、MSI Centerが初期インストールされていなかった。ユーティリティなしでもPCとして利用可能だが、現代のPCはファームウェアやOSレベルで制御できない部分をユーティリティで制御することが多い。MSI Centerで言えば従来「User Scenario」からプリセットを選ぶ形で行っていた。ただ、パフォーマンスを求める時もあれば、静音や省電力を求める時もある。最適な設定でムダなく使うとはいえ、都度ユーティリティを起動し切り替えるというのも手間なのは事実。そこで「MSI AI Engine」が登場した。「MSI AI Engine」ではユーザーの使用状況を自動で判断して自動で設定を切り替えてくれる。ユーザーが状況に応じて切り替えていた負担を軽減し、より柔軟に切り替わることでムダな電力消費、過剰な動作音を抑えられる。
なお、MSI Centerは初期インストールされていなかったので、Microsoft Storeから導入した。MSIから直接ダウンロードすることも可能だ。
ゲーミングパフォーマンスを見てみよう
それでは最後に、「Panoplia Powered by msi R7B65507TPM3D」実機を用いてパフォーマンスを見てみよう。パーツ構成で紹介したとおり、ハイエンド・ゲーミングPCだ。WQHDや4Kでのゲーミング性能を中心に見ていきたい。
まずは3DMark。ハイエンドなので「Speed Way」テストのスコアを見てみよう。Speed WayはDirectX 12 Ultimateに対応したテストでリアルタイム・レイトレーシングも使用している。解像度はWQHD(2560×1440ドット)だ。
スコアは7651ポイントでテスト中のフレームレートは76.51fpsと60fpsを十分に上回っていた。また、テスト中のCPUクロック、GPUクロック、GPUメモリクロックもほぼフラットで安定している。
もうひとつ重いテスト「Steel Nomad」のスコアも見てみよう。同じDirectX 12 Ultimate対応のテストだが、こちらはレイトレーシングOFF、ただし解像度は4K(3840×2160ドット)だ。
スコアは6779ポイントでテスト中のフレームレートは67.80fpsだった。Speed Wayよりも解像度が高い分、スコアが若干低くなるのがSteel Nomadの傾向。とはいえスクリーンショットで示されているように、フレームレートの推移を見ても常時60fpsを上回っている。
そのほかの3DMarkテスト結果については以下にまとめておくので、性能比較で役立ててほしい。
次に「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」を試した。こちらもよく用いられるベンチマークなので性能比較に役立ててほしい。黄金のレガシーになって、過去のファイナルファンタジーXIVと比べると若干重くなった印象もあるが、現在のGPU基準&フルHDでは中〜軽量なグラフィックス負荷と言える。
WQHDと4K、グラフィックス品質は最高画質、フルスクリーン、ほかはデフォルトとして実行したが、WQHDでは27772ポイント(非常に快適)、4Kでは14549ポイント(とても快適)といった結果だ。「非常に」とか「とても」というところをフレームレートで見てみると、WQHD時は189.51fps、4K時はそれより下がるがそれでも100.88fpsだった。もちろん60fpsを下回ることはない。なんならWQHD時は最低100fpsだった。
最後にグラフィックス処理の重いゲームテストとして「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」を試してみた。
WQHDと4K、画質プリセットは最高画質の「ウルトラ」、ほかは基本デフォルトとして、このゲームで利用できるフレーム生成機能もデフォルトのONとして計測した。まずWQHDは24238ポイントで平均142.06fps、4Kも18077ポイントで平均105.81fpsといった結果だった。では4Kウルトラにリアルタイム・レイトレーシングで「高」を加えたらどうか。17029ポイントで平均99.58fpsと、100fpsはわずかに下回ったが余裕の結果だった。
モンスターハンターワイルズ ベンチマークはシーンに応じてグラフィックス負荷の変動が大きくフレームレートの変動も大きめ。最小フレームレートも気になるところなので別途モニタリングソフトで推移を見た。
ベンチマーク前後の値も取得しているので確認したいのは、確実にベンチマーク実行中の30カウント〜360カウント付近であること。すべてのシーンで60fpsを下回ることはなく、低くても81.6fps(4Kウルトラ)、76.7fps(4Kウルトラ+レイトレーシング高)といったところ。最高画質設定・高解像度でこれほどなめらかだと快適さはかなり高い。















