グラフィックソフト「Affinity」が10月30日、ついに完全無料になった。発表によれば、Affinityは写真編集、ベクターデザイン、ページレイアウトの3機能を1つに統合した新しいプロ向けデザインアプリとなり、すべてのユーザーに無料で提供される。Adobeに挑戦状を叩きつけた格好だ。
新しいAffinityは、1つのアプリで写真の編集、ベクター描画、レイアウト制作が完結する設計だ。Adobeのように複数アプリを切り替える必要がなく、作業の流れを途切れさせない。ワークスペースはカスタマイズ可能で、ユーザーは自分の作業スタイルに合わせてツールを配置・保存できる。
Canvaとの統合も進んでいる。Canvaプレミアム会員は、Affinity上で「Canva AI Studio」を使い、生成塗りつぶしや背景除去などのAIツールを利用できる。
Affinity開発元のSerifは2024年、Canvaに買収された。Canvaは買収当時、「Photoshop、Illustrator、InDesignに並ぶプロ向けスイートを手に入れた」と言われ、Adobeが支配してきたクリエイティブ市場に風穴をあけたとされた。今回の無料化は、この戦略をさらに推し進めるものだ。
Adobe Creative Cloudが月額制サブスクリプションで収益を上げる一方、Affinityは「完全無料・制限なし」を宣言し、プロツール=高価格という構図を崩しにかかっている。Affinityは発表の中で「積み上がるサブスクリプション」について触れつつ、長年クリエイターにとっては選択肢がなかったと述べ、自由で開かれた制作環境を掲げている。













