メルカリの子会社で暗号資産事業を手がけるメルコインは8月5日、暗号資産取引サービス「Coincheck」を運営するコインチェックとの業務提携契約を締結したと発表した。この提携により、将来的にフリマアプリ「メルカリ」を通じて、コインチェックが取り扱う多様な暗号資産の取引が可能になることを目指す。
フリマアプリが多様な暗号資産取引の窓口に
メルコインは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」というメルカリグループのミッションのもと、2023年3月に暗号資産取引サービスを開始した。サービス開始から約1年9ヵ月で利用者数は300万人を突破し、その約9割が暗号資産取引の初心者であるなど、これまで暗号資産に触れてこなかった層への利用拡大を推進してきた。
一方、コインチェックは「新しい価値交換を、もっと身近に」をミッションに掲げる国内最大級の暗号資産取引サービス事業者だ。2025年6月末時点で顧客預かり資産は1兆円を超え、アプリダウンロード数は6年連続で国内No.1を記録するなど、確かな実績を持つ。東証プライム上場のマネックスグループ傘下として、高い水準のセキュリティー体制を整備している。
近年、国内の暗号資産口座数は約1240万口座と増加傾向にあるものの、証券口座数などと比較するとまだ限定的で、さらなる市場拡大の可能性がある。両社はこれまで、暗号資産取引の初心者を主なターゲットとして口座数拡大に貢献してきたが、今回の提携で業界のさらなる成長を加速させる狙いだ。両社の強みを活かし、将来的にはモノだけでなく新たな価値が循環・交換される社会の実現を目指すとしている。
本提携における最初の取り組みとして、2026年上半期を目処に、メルカリアプリの暗号資産取引サービスを通じて、コインチェックの新規口座開設や暗号資産取引が可能となる連携の検討を開始する。現在、メルカリアプリではビットコイン、イーサリアム、エックスアールピーの3銘柄のみを取り扱っているが、本提携が実現すれば、コインチェックが提供する多様な暗号資産をメルカリアプリから簡単に取引できるようになり、利用者にとってサービスの利便性が大幅に向上する見込みだ。













