このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第52回

「個人フォーム」と「グループフォーム」の違いを知り、業務で使いこなす

Microsoft Formsへの入力で、Power Automateフローを実行する! 実践的連携術

2025年08月06日 09時30分更新

文● 松本典子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 こんにちは、Microsoft MVP(Business Applications)の松本典子です。

 社内申請フォームやアンケートを作りたいときに、Microsoft 365の「Microsoft Forms」(以下、Forms)を活用している方は多いのではないでしょうか。最近では、このFormsとPower Automateを組み合わせて、たとえば「申請フォームへの入力をTeamsに通知する」など、業務の自動化や効率化に活用するケースも増えています。

 簡単にWebフォームが作れて便利なFormsですが、実は「個人フォーム」と「グループフォーム」の2種類があるのをご存じでしょうか。見た目は同じように見えますが、入力されたデータの保存先や管理方法、Power Automateとの連携方法など、重要な違いもあります。

 そこで今回は、Power Automateで簡単なワークフローを作りつつ、個人フォームとグループフォームの違いを解説します。作成するフローは、「Formsで添付ファイル付きのメッセージが回答されたら、その内容を添付ファイルのURLとともにTeamsへ自動投稿する」ものとします。

1. Microsoft Formsの「個人フォーム」と「グループフォーム」

 名前からも分かるように、個人フォームは個人向け、グループフォームはグループ向けの機能です。

 結論を先に言うと、フォームをグループで業務利用したり、フォームからアップロードされた添付ファイルをグループで共有したりする場合は、グループで管理しやすいグループフォームを選ぶのが安心です。一方で、業務利用であっても個人でしか使わないような場合は、個人フォームで問題ないでしょう。

1-1. 個人フォームとグループフォームの作成方法

 個人フォームとグループフォームは、作成の方法が違います。

 Microsoft Formsのポータル画面を開いたときに、上部に表示される「新しいフォーム」から作成すると、個人フォームになります。

 一方、グループフォームを作成したい場合は、まずポータル画面の下部に表示される「マイグループ」から、作成済みのグループから1つをクリックします。

グループフォームの作成

 グループの画面が開くと、そこに「新しいグループ フォーム」というボタンが表示されています。ここからフォームを作成すれば、そのグループに属するグループフォームとなります。

グループフォームの作成

 今回は「検証用」という名前のグループで、グループフォームを作ることにします。フォーム名は「添付ファイル付きフォーム」としました。入力項目は「名前」「メールアドレス」「添付ファイル(アップロード)」の3つです。

1-2. フォームの種類で異なるファイルの保存先

 今回作るフォームを見れば分かるように、Microsoft Formsでは、回答時に添付ファイルをアップロードすることができます。このとき、個人フォームとグループフォームでは、アップロードファイルの保存先が異なります。

 個人フォームの場合は、アップロードファイルは「フォーム作成者のOneDrive」に保存されます。保存されるパスは次のとおりです。

 /Apps/Microsoft Forms/フォーム名/ファイル名

 一方、グループフォームの場合は、Microsoft 365グループに紐づいたSharePointサイトに保存されます。保存されるパスは次のとおりです。

 /Shared Documents/Apps/Microsoft Forms/フォーム名/ファイル名

 フローの作成がスムーズに進むように、最初にどちらの形式でフォームを作成するかを確認しておくことがポイントです。また、Formsからアップロードされたはずのファイルが見つからない場合には、この個人フォーム、グループフォームの違いが原因になっているかもしれません。どちらの場所に保存されているかを確認しましょう。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事
アクセスランキング
ピックアップ