上流のノイズ対策、ハブやフィルターの効果を体験する
ネットワークプレーヤーを楽しんでいるオーディオファンの間で最近とみに関心が高まっているのが、オーディオ用に開発されたハブやノイズフィルターといった製品だ。LANの信号を光などに変換してノイズ対策を図る製品なども登場している。
麻倉先生も自宅の視聴環境でアンダンテラルゴの「8 Switch」という機種を導入済。イギリスのケーブルブランドCHORD Companyのサブブランドである「English Electronics」の製品で、名前の通り8つのポートを持ち、オーディオ用に開発されたスイッチングハブとなっている。
今回はこれに、ノイズフィルターの「EE1」を追加して変化が出るかを試してみた。ハブとネットワークプレーヤーの間にはさんで使うもので、独自のICチップで吸収したノイズを熱に変換する効果を持つ。結果、純粋な音楽や映像信号のみをプレーヤーに伝送できるアクセサリーだという。
麻倉 「音に磨きがかかったというか、細かいところの表情感が緻密になるというのが最初の印象です。一番違うのはニュアンスが出てくる点でしょう。Cheek to Cheekでは歌詞の『To Heaven, I'm in heaven』と続く歌詞の語尾の違いに注目すると、より明瞭になっているのが分かります。
先に『自信』と言いましたが、それが強く、輪郭が出てクリアになっていきますが、その質感が圧倒的に上がる印象です。ノイズを取る効果がよく出ていますね。ドラムのブラシもクリアになるし、全体の粒子感も細かく、粒の一つ一つにカラフルな音色が加えられます。
「道化師の朝の歌」では、音場の透明感に注目したいです。音がよく見えていきますが、それにとどまらず、濃密にそこに音の響きがあるという存在感も出てきます。音像の存在感という点ではピチカート。高い音の弦だけでなく低い音の弦の違いもよく分かります。Tuttiの爆発感も印象的です。何もないところから、一瞬に核分裂するようなエネルギーで音が爆発します。躍動的なレンジ感、フルートの超絶的なテクニックなどもよくわかるようになりました。なかなか素晴らしい!」

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