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【悲報】JR東日本が運賃改定、首都圏は実質値上げ 初乗り160円に

2025年08月01日 19時40分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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 東日本旅客鉄道は8月1日、2026年3月に旅客運賃を改定すると発表した。2024年12月に国土交通大臣へ申請していた運賃の上限変更が認可されたことを受けたもので、特に首都圏で設定されていた割安な運賃区分を廃止・統合するため、多くの区間で実質的な値上げとなる。なお、特急料金などの「料金」は今回の改定の対象外となる。

首都圏の割安運賃を「幹線」に統合、わかりやすさと負担増

 今回の改定の大きなポイントは、首都圏に設定されている「電車特定区間」と「山手線内」の運賃区分を、基本となる「幹線」の運賃に統合することだ。これらの区間は国鉄時代、競合私鉄との価格競争などを背景に割安な運賃が設定されていたが、同社は現状に合わせて見直す判断をした。これにより、例えば山手線内の初乗り運賃(ICカード)は現在の146円から155円に、きっぷは150円から160円になる。平均改定率は、普通旅客運賃が7.8%、通勤定期旅客運賃が12.0%となる。

 同社は運賃改定の理由として、安全性の向上に向けた継続的な設備投資の必要性を挙げる。会社発足以来、ホームドアの整備や自然災害対策、耐震補強など5兆円を超える安全投資を実施してきた。しかし、人口減少やコロナ禍を経たライフスタイルの変化に加え、近年の物価やエネルギー価格の高騰、人材確保のための人件費上昇など、鉄道事業を取り巻く経営環境は厳しさを増している。これらの費用を経営努力だけで吸収するのは困難と判断し、約40年間維持してきた運賃水準の本格的な見直しに踏み切った。

 利用者にとって身近な点では、いくつかの変更がある。まず、平日朝のラッシュ時間帯を避けて利用できる「オフピーク定期券」は、現在の通勤定期券から約15%割り引く設定を継続した上で、対象エリアを拡大する。高崎線や宇都宮線、東海道線、外房線などの一部駅が新たに対象となる。一方で、山手線内であればどの駅で乗り降りしても同額だった「山手線内均一定期券」(1万4970円/月)は、今回の運賃区分統合に伴い廃止される。また、グリーン定期券や一部区間の新幹線定期券も値上げとなる。

 家計への負担を考慮し、「幹線」「地方交通線」における通学定期旅客運賃は据え置かれる。ただし、電車特定区間から幹線へ統合される首都圏エリアなどでは、通学定期も値上げとなる区間があるため注意が必要だ。また、これまで運賃に上乗せされてきた「鉄道駅バリアフリー料金」は廃止されるが、改定後の運賃はこれを組み込んだ上での価格となる。今回の改定で、きっぷの1円単位の端数処理が切り上げに変更され、小児の一部区間を除きICカード運賃がきっぷ運賃より安価、または同額となり、ICカードの利用メリットがより明確になる。

 運賃改定の実施は2026年3月を予定しており、具体的な改定日については決まり次第、改めて告知するとしている。

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