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2.4GHzとBluetoothのデュアル接続対応、新設計のドライバーを採用

まろやかな着け心地と圧倒的定位性、Razer「BlackShark V3 Pro」はゲームから音楽まで万能対応する

2025年07月30日 00時00分更新

文● Okano 編集●八尋/ASCII

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「Razer BlackShark V3 Pro」

 Razerから、新作ゲーミングヘッドセット「Razer BlackShark V3 Pro」が発表された。2023年6月以来の新作となる本モデルでは、アクティブノイズキャンセリングや2.4GHz・Bluetooth同時接続といった先進機能を搭載。プロ監修のオーディオプロファイルによる圧倒的な音像定位と、まろやかな着け心地が長時間のプレイを支える。FPSから音楽鑑賞まで、あらゆるシーンで真価を発揮するオールラウンダーの実力を確認していく。

側圧は柔らかめ、まろやかな着け心地

 まずは重要な着け心地について。重量は実測で367gと、他社と比較してとりわけ軽量というわけではないが、着け心地はまろやかで重量をダイレクトに感じることはない。その理由はヘッドバンドとイヤーパッドのデュアルレイヤーフローニットメモリーフォームクッションにあるほか、側圧も柔らかめで重さが綺麗に分散されるようなデザインになっているからだ。また、ユーザーのサイズにあわせて無段階調節できるので、ユーザーにあった形で長時間にわたる使用でも疲れにくい。

ユーザーのサイズにあわせて無段階調節できる

定位は最高、FPSから音楽まで幅広く楽しめる

 BlackShark V3 Proの心臓部には、新設計の「Razer TriForce Bio-Cellulose 50mm ドライバー Gen-2」が搭載されている。これまで以上にクリアでクリーンなサウンドを実現。さらに75%拡大されたマグネットが音像定位を向上させ、敵のかすかな足音やリロード音を正確に捉える。実際にFPSなどをプレイしても、その定位はかなり正確に感じとることができ、従来よりも直感的に没入できる印象を受けた。

本体にテクスチャードボリュームホイール

 また、パソコンでは7.1.4chのバーチャルスピーカーで高さの表現をも加えた「THX Spatial Audio」 、Windowsの空間音響、「3D Tempest Audio(PS5)にも対応する。どんな環境でも対応する懐の深さは、多くのユーザーに刺さる仕様といえるだろう。

 制御ソフト「Razer Synapse 4」からカスタムできる、プロが監修したオーディオプロファイルも魅力的だ。『VALORANT』や『Apex Legends』、『Call of Duty』など、主要なFPSタイトルのトッププレイヤーと共同開発された12種類のPro-Tuned EQプロファイル、つまるところサウンド設定を搭載。これにより、プレイヤーはプロと同じ音響設定で、重要なゲーム内サウンドを強調し、情報戦で優位に立つことができる。

12種類のPro-Tuned EQプロファイルを用意

着脱式マイクはそこそこ

 新開発された「Razer HyperClear Full Band 12mmマイク」は、競合製品の多くが16kHzのサンプリングレートであるのに対し、それを遥かに凌ぐ48kHzを実現している 。「これにより、豊かで自然な音声をチームメイトに届けることが可能になった」と謳われている。

 実際に録音してみると、“ヘッドセットのマイクとして”は優秀であるように感じた。ほかのコンデンサーマイクやダイナミックマイクと比較するとどうしても音質が劣るのはご愛敬だが、限られた環境でマイクをヘッドセットに頼らざるを得ない場合には有用だろう。

 Razer Synapse 4では、マイクのコンプレッサー機能などを設定できるほか、イコライザーで音をカスタムすることもできる。マイクモニタリングも可能で、この音量は本体サイドのホイールで調節することも可能だ。ヘッドセットのマイクとしては設定できる項目がかなり多い。

マイクは着脱可能だ

アクティブノイズキャンセリングに対応、外音取り込みも

 Razer BlackShark v3 Proの大きな特徴として、アクティブノイズキャンセリングに対応している点が挙げられる。イヤーカップ内外の4つのマイクが周囲の騒音を積極的に検知・相殺し、本来の音を楽しめるというもので音楽視聴用のヘッドホンで当たり前の機能である。が、ゲーミングデバイスとしては対応する機器は少ない(もっとも、ヘッドフォンやカナル型イヤホンなどは装着するだけである程度の音は遮断してくれるので必要ないという見方もあるが)。

 実際に使用するとややツンとした感触があるものの、エアコンを最大にしたときの音や、外を走るクルマの走行音などはしっかりとかき消してくれた。また、アンビエントモード(外音取り込み)にも対応。オーディオ機器メーカーのハイエンドクラスと比較すると見劣りするが、他人と会話ができるレベルには音を取り込んでくれる。

スマートスイッチボタン、カスタマイズ可能な追加ローラー、ANCボタンを採用

マイクミュートボタン、電源ボタン、LEDインジケーター、USB充電ポートを配置している

Bluetoothとの同時接続にも対応、マッチング中にスマホをいじれる

 接続方法は、付属のドングルによる2.4GHz接続、Bluetooth、USB、3.5mmケーブルの4つだ。大きな特徴としては、2.4GHz接続とBluetooth接続が両立するため、パソコンの音を聞きながらスマートフォンなどの音も聞くことができる。パソコンでゲームや作業をしつつも、なんだかんだスマートフォンを操作する時間は多いというもの。そんなユーザーにとってかなりうれしい仕様だ。

ドングルが付属している

 Android/iOSで利用できるRazer Audioアプリでは、イコライザーやマイク設定など、Razer Synapse 4で利用できる設定の一部がカスタムできる(Bluetoothモードのみ)。なおBluetoothはAACとSBCにのみ対応する。

有線でも利用できるので、万が一充電が切れてしまったというときにも応急で対応可能だ

スマホからも操作可能

3モデル展開

 BlackShark V3シリーズは3つのモデルが用意されている。最上位のBlackShark V3 Pro(¥40,780)は、本レビューで詳しく紹介したフラッグシップモデルだ。アクティブノイズキャンセリング機能とBio-Celluloseドライバー、12mmフルバンドマイクを搭載し、妥協のない最高の性能を求めるプレイヤーに向けた仕様となっている。

 中間に位置するBlackShark V3(¥24,480)は、ANCやBio-Celluloseドライバーこそ非搭載だが、Proモデルと同じ超低遅延ワイヤレス接続と9.9mmの高性能マイクを備えている。高い基本性能を維持しながらコストを抑えた、バランスの取れたモデルだ。

 そしてもっともアクセスしやすいBlackShark V3 X HyperSpeed(¥16,980)は、シリーズの優れた基本性能を手頃な価格で実現したエントリーモデルだ。初めてゲーミングヘッドセットを購入する層や、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって魅力的な選択肢となっている。

 ここまで述べてきた通り、Razer BlackShark V3 Proはプロレベルの音響設定、快適な装着感、そして日常使いにも対応する多彩な接続オプションを備え、ゲームプレイの質を向上させるだけでなく、ユーザーのライフスタイル全体を豊かにしてくれる。真剣にゲームに取り組むプレイヤーはもちろん、音楽やエンターテイメントも同じデバイスで楽しみたいという欲張りなユーザーにとって、BlackShark V3 Proは間違いなく有力な選択肢となるだろう。

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