まずは、音質を確かめる意味でも、テレビと接続して使ってみる。単純にテレビと接続して使うなら、eARCで接続して電源を入れるだけで使い始められる。あまりにも簡単。届いて5分後には使える。
音質面はさすがで、テレビのスピーカーとは明確にクオリティが違う。特別に音に詳しくない人でも、聴いた瞬間に「これは圧倒的にいい」と実感できるだろう。むしろこれまで、こだわりを持ってこなかった人ほど、驚きと感激は大きいかもしれない。
PC+テレビ+サウンドバー、新しい音の楽しみ方
さて、音質をチェックしたところで、今回のメインテーマとなるPCとの連携を試してみよう。
リビングにPCが置いてあって、さらにいい音まで楽しめるとなれば、ちょっとした作業や、家庭内のエンタメ関係をマルチに担える、便利な存在になるはず。
使用したのは、デスクトップ型のミニPCだ。こうしたミニPC、昔はすこし変わった選択肢だったが、いまはスペックやOSを問わずさまざまな選択肢があるし、特別に高い負荷がかかる作業以外のほとんどの用途を賄え、さらに省スペースなので、使っているという声を聞くことも増えた。
ともあれ、接続を試してみよう。試そうとして気づいたが、こういった接続の仕方って、あまり試したことがないかもしれない。
あらためて考えてみると、オーディオ機器の多くは(特にカジュアルな製品であるほど)入力側と出力側を一対一でつなぐことが多い気がする。プレーヤーからパワードスピーカー、テレビに対してサウンドバー、プレーヤーやスマートフォンに対してヘッドフォン。
出力先が複数ある場合は、基本的にアンプを経由させるから、あまり何も考えずにスピーカーとヘッドホンから同じ音が出てくる環境を構築してきた。
そういった意味で、この遊び方はちょっと新鮮だ。
つなぎ方は複数のパターンが想定できるが、今回はPCのHDMI出力端子とテレビのHDMI入力端子を接続し、テレビとサウンドバーをeARC規格のHDMIで接続するという方法を試した。
うまくいくだろうか……と、心配するまでもなく、PC、テレビ、DHT-S218の接続は、拍子抜けするほどに簡単で、すぐにPCからの入力音がDHT-S218から出力される環境を構築できた。
接続で迷う面があるとすれば、HDMIとeARC対応HDMIの見分けだが、最近の多くのテレビは、eARC対応HDMI入力はわかりやすく表記されているので、迷うことはあまりないだろう。DHT-S218も、eARCの端子には「eARC」と表記してある。
この組み合わせ、本当に簡単で便利ではあるが、試したことがあるという方は、あまり多くはないかもしれない。この構成の何が良いかといえば、PCからの音も、テレビからの音も、まとめてDHT-S218の音で楽しめるという点に尽きると思う。
テレビ番組を見ているときは、標準よりはるかにグレードアップしたテレビの音を楽しめるし、PCで動画配信サービスを楽しむ際も、映像はテレビに出力しながらDHT-S218の音質で試聴ができる。基本的(※)に、音の切り替え時の設定や手間がなく、ずっとつなぎっぱなしでいい。
届いて5分後には使えるレベルの、ごく最小限の設定の手間にもかかわらず、その日から、「身の回りのさまざまな音」を一気に高音質にできてしまうのだ。特に映画やドラマをよく見る人なら、劇中のちょっとした効果音やセリフの響きのよさを感じた瞬間に「いや〜、買ってよかった〜!」と思うはず。
※PCの出力音をテレビ経由でDHT-S218に入力する際、パススルーされず、テレビで再デコードが起こる場合がある。テレビから出力されるフォーマットなどについては、詳細は手持ちの機器のスペックを参照してほしい。
もちろん、DHT-S218の豊かで量感のしっかりとある低音の表現は、PCゲームの音を楽しむのにも向いている。
ハイフレームレートのFPSなど、特別にシビアな操作が要求されるタイトルでは、若干の遅延が気になる可能性もあるが、RPGやアドベンチャー、ストーリー重視といったタイトルならば、気軽な接続で、ゲームの没入感を大きく引き上げてくれるはずだ。DHT-S218で聴く風のうなる音や、武器がぶつかる金属音は、まるで耳元で鳴っているかのようにリアルである。
また、DHT-S218にはHDMI以外に、光デジタル端子、3.5mmオーディオ端子も搭載されている。スイッチャーなどを用いて、PCから出る効果音などはPC内蔵スピーカーから出力し、映画鑑賞時やゲームプレイ時のみ、DHT-S218から出力するといった設定にも、柔軟に対応できるだろう。いろいろと試して遊んでみたくなるのも、DHT-S218の愛着ポイントだ。















