手軽にいい音が楽しめるサウンドバー
テレビだけに使うのは、もったいない
PCから出力される音にこだわりを持つ人は、かつてはそれほど多くなかった。
普通に内蔵スピーカーで済ませてしまうか、すこしこだわって小型のUSBスピーカーをデスク脇に置くというのが、ごく一般的なスタイルだったと思う。しかし2020年代に入ってから、その状況は少しずつ変わってきている。
その理由には、ゲーム、動画や音楽のサブスクリプションサービスの普及がある。PCは「作業用の道具」から、家庭でのエンタメをも担う存在へと、立ち位置を変え続けている。
これに伴って、映像や音声に求められる品質も格段に上がってきている。「もっといい環境で楽しみたい」と感じるユーザーが増えるのも、自然な流れだろう。とはいっても、パソコン用スピーカーの選択肢は、いまだ限定的だ。いくつかの定番商品か、あるいはRGBエフェクトのついたゲーミング用商品などがスタンダード。
それより上の音質を求めるとなると、アンプなどに接続して、好みのスピーカーと組み合わせるという方法もあるが、そこまですると、“玄人向けの世界”に近づき、ハードルは一気に上がる。
ここで浮かび上がってくるのが、「サウンドバー」という存在だ。サウンドバーは、もともとテレビと組み合わせる用途で発展してきたジャンルだが、HDMIや光デジタルといった入力端子を持ち、設置もシンプルという特徴を持つ。PCと組み合わせるというのも“意外とアリ”……なのではないか?
いや、“完全にアリ”だろう! さっそく遊んでみる。
この手軽さと音質、価格以上の価値
デノン「DHT-S218」
今回手に取ったのはデノンの「DHT-S218」というモデル。
量販店などでもかなりの売れ行きを誇っているサウンドバーのひとつで、老舗オーディオメーカーならでは「すごさ」を存分に味わえるモデルだ。
何がすごいのかって。DHT-S218は、同社のサウンドマスターとして、高級オーディオのサウンドチューニングなども手がける山内慎一氏がサウンド面を監修し「本当にいい音」を追い求めたモデルなのだ。
このジャンルを追っている人ならご存じかもしれないが、このモデルは、2019年発売の「DHT-S216」、2022年発売の「DHT-S217」と進化を重ねてきたシリーズの3世代目。
すでに完成度の高かった前モデルを磨き上げるように、より音の世界に浸れる徹底的なサウンドチューニングを施している。「本物のオーディオ品質のサウンドバー」という路線のまま熟成を重ね、さらに完成度を高めたモデルだといえるだろう。
DHT-S218の主なスペック
端子類:HDMI入力、HDMI出力(eARC/ARC/CEC/VRR/ALLM対応)、光デジタル入力、3.5mmステレオミニジャック、サブウーファー出力端子、USB端子(サービス用)
対応音声フォーマット:Dolby Atmos、Dolby TrueHD、 Dolby Digital Plus、Dolby Digital、 MPEG-2 AAC、MPEG-4 AAC、リニアPCM(最大7.1ch)
サウンドモード:Pureモード、Movieモード、Musicモード、Nightモード
ダイアログエンハンサー:3段階
Bluetooth規格:Bluetooth 5.3、SBC、LC3(LE Audio)、マルチポイント対応
ドライバー構成:25mmツイーター×2、90mm×45mm楕円形ミッドレンジ×2、75mmサブウーファー×2















