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相手の顔を見ながら母国語で会話、透明字幕ディスプレー「VUEVO」が石垣空港などで稼働開始

2025年07月14日 17時20分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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 ピクシーダストテクノロジーズは7月14日、沖縄県石垣市の観光インフラにおいて、リアルタイム翻訳が可能な透明ディスプレー「VUEVO Display(ビューボ ディスプレー)」の導入を開始したと発表した。日本の離島において、多言語・透明字幕に対応したコミュニケーションツールが本格的に活用されるのは、これが初の事例となる。

表情が見える透明ディスプレーで、リアルタイム翻訳

 石垣市は国内有数の観光地であり、近年、台湾、韓国、香港、欧州など多様な国と地域からの来島者が増加している。それに伴い、空港やレンタカー店、ホテルといった観光インフラでの多言語対応が大きな課題となっていた。今回、島内の観光関連施設に合計10台のVUEVO Displayを導入することで、来島者とスタッフが母国語のまま自然に対話できる環境の構築を目指す。

 VUEVO Displayは、リアルタイムで翻訳された字幕を透明なディスプレーに表示する。これにより、利用者は相手の表情やジェスチャーを遮られることなく、円滑なコミュニケーションが可能になるという。

 設置場所は、石垣空港内に5台(ケイトマン・マン・ザスカイ)、石垣島共同売店に1台、オリックスレンタカー石垣島店に1台(石垣エスエスグループ)、離島ターミナル内竹富町総合案内窓口に1台(竹富町観光協会)の計8台。加えて、石垣空港案内カウンター(石垣市観光交流協会)と南の美ら花ホテルミヤヒラ(宮平観光)の2ヵ所には、2026年1月末日までの期間限定で各1台が設置される。

 オリックスレンタカー石垣島店を運営する石垣エスエスグループ取締役の大浜龍一氏は、「外国人観光客が増加する中、接客時の言語の壁が課題だった。VUEVOによってスムーズな対応ができるようになると期待している」とコメント。また、石垣島共同売店店主で石垣市商工会副会長の下地寬正氏は、「海外からのお客様も多く訪れる中、多言語対応の重要性を感じていた。より円滑な接客が可能になると期待しており、今後の効果を楽しみにしている」と述べた。

 ピクシーダストテクノロジーズは今後、石垣島での実績をもとに、日本国内の他の観光施設や交通機関、宿泊施設とも連携を拡大し、VUEVO Displayを活用した“対話インフラ”の地域実装を進める方針だ。沖縄本島・離島エリアとの連携も視野に入れ、観光DXのモデルケース構築に取り組んでいくとしている。

 VUEVO Displayは、同社の音響認識技術「VUEVO」を応用し、多言語翻訳機能と透明ディスプレーを組み合わせた製品。聴覚障がい者や難聴者との会話、あるいは外国語での会話といった場面で、相手の表情を見ながら自然な対面コミュニケーションを実現する。

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