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ローコード開発で“カンタンに、でも本格的に”AI実装。「Claris FileMaker 2025」が登場

2025年07月09日 10時00分更新

文● 貝塚/TECH.ASCII.jp

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Claris FileMaker 2025

Claris FileMaker 2025が登場、AI連携大幅強化

 Appleの100%子会社Claris International Inc.は、ローコード開発ツール「Claris FileMaker(クラリスファイルメーカー)」の最新バージョン「Claris FileMaker 2025」を発表した。

 前世代と比較してAIとの連携が大幅に強化され、豊富なAI機能を搭載したカスタムアプリケーションの構築が可能になった。

 具体的には、自然言語での検索、ローカルLLMの搭載(Claris FileMaker Serverに同梱のAIモデルサーバーを利用)、FileMaker内の格納データに基づいたプロンプト実行、RAG(検索拡張生成)への対応、モデルのファインチューニング、回帰モデルによる推論などに対応している。

自然言語でSQLクエリーを実行しているイメージ

会議の内容を要約したメール作成のイメージ

顧客マスタに対して自然言語で検索をかけたイメージ

Claris FileMaker 2025におけるRAG(検索拡張生成)のイメージ

 併せてUI面も刷新。FileMaker Proでは、計算結果のタイプの表示や、テーブル名にコメントを追加する機能、スキーマが変更された場合にレイアウトを更新する機能などを新たに設けた。FileMaker WebDirectでは、右クリックコンテキストメニューの追加や、「戻る」ボタンの警告表示などを追加している。

 さらに、近日中にAIを利用したユーザ用チャットエージェントを構築するためのアドオンも提供予定。開発者は、ドラッグアンドドロップなどの簡単な操作で、AIを利用したチャット機能をカスタムアプリケーションに追加できる。

 前世界からの進化について、同社は、Claris FileMaker 2024では「LLMで必要な情報を探し出すものだった」のに対し、Claris FileMaker 2025は「LLMでFileMakerのデータを活用しながら答えを導き出す」ツールに進化したと表現している。

 対応OSはFileMaker ProがmacOS Sequoia 15/macOS Sonoma 14、Windows 11 (24H2)/Windows 10 (22H2)、モバイル向けのFileMaker GoはiOS 17/iPadOS 17、iOS 18/iPadOS 18、FileMaker ServerはmacOS Sequoia 15/macOS Sonoma 14、Linux Ubuntu 24.04 LTS AMD, ARM/Ubuntu 22.04 LTS AMD, ARM、Windows Server 2022 Datacenter/2022 Standard Edition/2019 Datacenter/2019 Standard Edition(いずれもデスクトップエクスペリエンスをインストール済みのもの)、Windows Server Datacenter(動作確認済みだが、記事執筆時点でフル検証は未実施とのこと)。

 AIモデルサーバーの最小要件として、テキスト/画像埋め込みに関してはWindowsとLinuxでIntel Xeon/AMD Zen 4、5シリーズ(AVX2またはAVX512)、16GBメモリー以上が必須。macOSではApple Silicon、16GBメモリー以上。テキスト生成/ファインチューニングに関してはWindowsとLinuxでCUDA GPUが必須で、RTX 4090またはGPUメモリー32GB以上のA10(Tensor Core GPU)、32GBメモリーなどとなっている。

対応予定のLLMの一例

AIモデルの追加や適用は、専用jのタブから一覧で管理できる

 価格はClaris FileMaker Pro 2025が6万6600円、Claris FileMaker Pro 2025 アップグレードが3万9960円、学生・教職員限定のClaris FileMaker Pro 2025アカデミックが3万9960円(いずれも税抜)。対象となるライセンスを持っている場合は、ソフトウェアアップデートダイアログからアップグレードできる。

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