メルカリは7月1日、フリマアプリ「メルカリ」での取引において、万が一のトラブルが発生した際に購入代金や販売利益を全額補償する「全額補償サポートプログラム」を開始したと発表した。同日、ユーザーが安全に取引するための情報を集約した「安心・安全ポータルサイト」も公開し、顧客保護の姿勢を鮮明にしている。
トラブル時の購入代金を全額補償、安心・安全の新方針を具現化
今回の新施策は、同社が2025年5月に発表した「不正利用者の徹底的な排除」と「お客さまの徹底的な救済」という新方針の根幹をなすものだ。メルカリでは月間2300万人が利用する巨大なマーケットプレイスとして、これまでも24時間365日の監視体制や本人確認の強化といった未然防止策を講じてきた。しかし、「届いた商品が説明と違う」「配送中に壊れていた」といった、当事者間での解決が難しいトラブルが依然として課題となっていた。
そこで同社は、正しくサービスを利用しているユーザーが不利益を被ることのないよう、サポート体制と補償方針を大幅に見直し、今回の全額補償サポートの開始にいたった。
全額補償サポートは、当事者間の話し合いで解決が難しいトラブルについて、メルカリ事務局が内容を精査し、条件を満たすと判断した場合に適用される。出品者には販売利益が、購入者には支払い代金が全額補償され、補償金額に上限はない。このプログラムの利用に追加料金はかからない。
ただし、補償を受けるには5つの条件をすべて満たす必要がある。具体的には、「アプリでかんたん本人確認(eKYC)」を済ませていること、配送方法に追跡可能な「メルカリ便」を利用していること、配達完了日の翌日から14日以内に事務局へ問い合わせること、そして各種ガイドラインや利用規約を遵守していることだ。なお、2025年7月1日以降に開始した取引が対象となり、「メルカリShops」での取引は対象外となる。
同時に公開された「安心・安全ポータルサイト」は、トラブルを未然に防ぎ、万一の際にユーザー自身が適切な対応を取れるよう、情報を集約した特設サイトだ。取引の各段階でユーザーの安心を支える取り組みや、最新の詐欺手口に関する注意喚起などを確認できる。
メルカリは今後、不正利用の状況や対策の効果をまとめた「透明性レポート」を2025年8月をめどに定期的に公開する方針も示している。外部機関との連携も強化し、ユーザーが安心して取引できる環境の構築に全力を尽くすという。















