レガシーのアセスメントからマイグレーション、保守／運用までをワンストップでカバー
COBOL技術者不足に対応 キヤノンITSがメインフレームの移行サービスを拡充した「PREMIDIX」提供開始
2025年06月30日 10時00分更新
キヤノンITソリューションズ（キヤノンITS）は2025年6月30日、メインフレームの環境移行（マイグレーション）サービスを拡充し、新サービス「PREMIDIX（プレミディックス）」として提供を開始した。既存レガシーシステムのアセスメントから、マイグレーション、本番移行、保守／運用までをワンストップでカバーする。
PREMIDIXで提供するサービスの全体像。新たに「アセスメント」「保守／運用」のサービスも提供する（赤枠部分）
PREMIDIXのロゴ。なおPREMIDIXは「DXに向けたお客さまの大切な資産のマイグレーション（PREcious assets MIgration for DIgital Transformation）」からの造語
キヤノンITSでは、これまで30年以上にわたり、メインフレームなどのレガシーシステムを最新プラットフォームに移行するサービスを提供してきた。現行機能のまま、同じ言語（COBOL）で移植する「リホスト方式」を採用しているため、ほかの方式（リライト、リビルド）に比べて短期間／低リスク／低移行コストでの移行が可能だという。同社は、このリホストマイグレーションで120件以上の実績を持つ。
2024年10月に開催された同社の事業戦略説明会でも、メインフレームのマイグレーションビジネスは「2025年に向けた注力事業のひとつ」として取り上げられた。
リホスト方式のマイグレーションの概要。同じ言語（COBOL to オープンCOBOL）で移植することで、リスクやコストを抑えて短期間でのマイグレーションを実現する
これまでは、既存の資産（プログラムやデータなど）を機械変換する「マイグレーションサービス」、本番移行時のテスト支援を行う「本番移行支援サービス」だけを提供してきた。だが、近年進むCOBOL技術者の不足などを背景に、移行前の「アセスメント」や、移行後の新システムの「保守／運用」についても支援サービスを求める声が上がっていることから、それらにもサービスを拡充して、PREMIDIXとして提供を開始する。
PREMIDIXの価格は個別見積もり。マイグレーションを検討中の顧客を対象に、その適合性を診断する無料の「移行性診断サービス」を提供する。
キヤノンITSでは今後、AIを活用した資産変換ツールの開発にも取り組み、「プロジェクト期間の20％短縮」を目指す。2028年度までに、マイグレーション事業の規模を「現在の4倍に拡大する」という事業目標も掲げている。
PREMIDIXで提供する各サービスの概要
