本物の警察がWeb上で逮捕状を見せて来ることはありません
ニセ警官は、SNSのビデオ通話などを使ってニセの警察手帳を提示。警官を名乗る人物がビデオ通話で顔出ししていて、ニセ手帳に顔写真があることもあって、信用してしまう人が少なくないのでしょう。誘導されるのが遠方のニセ警察署のため「ビデオ通話対応も仕方ない」と思ってしまうケースもあるようです。
ともかくニセ警官の口上を信用してしまうと、その後は「被害届の処理のため」とか「銀行口座が悪用されていないか確認する」などと言われて金銭を振り込むよう要求されることが多いようです。さらに、いったん金銭を支払った被害者に、事件発覚前に追い打ちをかけるように追加の詐欺行為が実施されることもあるとか。
たとえばSNSを介してニセの警察署のWebサイトに誘導され、そこに自分の名前が入った逮捕状(らしきもの)が掲載されていて「逮捕状を取り下げるために金銭が必要」といった具合に、重ねて被害に遭う人も出ているので、さらなる注意が必要でしょう。
なお、まだあまり多くはないようですが、固定電話しか持っていないご高齢の方にニセ警察がスマートフォンを送り付けて、ここで紹介したような詐欺を展開しようとするケースも発生しているようです。
対策としては、実際の警察の行動を知ることです。まず、本物の警察官がSNSのビデオ通話で個人情報を聞き出したり現金を要求したりすることはありません。また、Web上で逮捕状が掲示されることもありません。
つまり、向こうから掛かってきた電話の自動音声ガイダンスで警察があなたや家族に接触しようとしてしたら、それはイコール詐欺だということです。
これらのことをしっかり胸に留めておくとともに、高齢だったり遠方に住んでいたりするご両親・ご親戚などにも伝えておくことで、警察詐欺によってヒヤリとする機会は減ることと思います。
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