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ビル・アトキンソン氏亡くなる 74歳 Macintoshの代表的な開発者

2025年06月09日 17時22分更新

文● @sumire_kon

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初代Mac「Macintosh 128K」の内側に刻まれたビル・アトキンソン氏のサイン

初代Mac「Macintosh 128K」の内側に刻まれたビル・アトキンソン氏のサイン(赤枠は筆者追加)

 元アップルのエンジニアで写真家のビル・アトキンソン氏(74歳)が6月5日、膵臓がんのため逝去したことがわかった。同氏の家族が6月8日、Facebookへの投稿で明らかにした。

 ビル・アトキンソン氏は1978年4月、アップルコンピューター(現アップル)に入社。最も古い同社での業績は「Apple II版 UCSD Pascal」で、これは同氏の提案を上司が却下した後、スティーブ・ジョブズ氏に直接持ち込んで実現にこぎ着けたものだ。

 その後、アトキンソン氏はジョブズ氏の誘いを受け、同社初のGUI対応製品となる「Lisa」および「Macintosh」の開発チームに参加。GUIの根幹となる「QuickDraw」をはじめ、「HyperCard」「MacPaint」など、さまざまなソフトウェアを世に送り出した。(ちなみに、ジョブズ氏はアトキンソン氏の腕をかなり買っていたようで、取締役会の決議でアップルを追い出された後も、自身が立ち上げた新企業NeXTにアトキンソン氏を誘い、見事にフラれている)

アトキンソン氏が開発に携わった「Macintosh 128K」

アトキンソン氏が開発に携わった「Macintosh 128K」

 入社から12年が経過した1990年、アトキンソン氏はアンディ・ハーツフェルド氏らと共にアップルを退社。OS開発企業「General Magic」を立ち上げるも、残念ながら事業は失敗してしまう。

 以降は写真家として活動する傍ら、写真関連のソフトウェア開発を手がけていた。

 同氏の訃報を受け、アップルのティム・クックCEOは6月8日、自身のXに「彼は真の先見の明を持つ人物であり、その創造性、情熱、そしてMacにおける革新的な取り組みは、永遠に私たちにインスピレーションを与え続けるでしょう」とポスト。弔意を示した。

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