「そろそろ自分用のちゃんとしたノートパソコンがほしいなあ」。そんな気持ちになって、いざ選ぼうとすると難しいんですよね。スペックを見てもよく分からないし、値段を見てびっくりすることも。逆に、安さで選んだら動きがカクカクしたり、1年も経たないうちに不調が出てきたり…。わたし自身、「これでよかったのかな?」と不安になる買い物、何度もしてきました。
そんな中で最近出会ったのが「VAIO F14」というノートPC。正直、VAIOってもっと高くてプロっぽい人が使うイメージだったんですが、これは良い意味でちょっと違う。サイズはちょうどよくて持ち歩きやすいし、しっかりしてて見た目もスマート。しかもお値段、13万円台からスタートというから、かなりびっくり。
数日間ほど仕事用にお借りして使ってみたんですが、これがなんとも“ちょうどいい”。リモート会議で相手から「今日、声が聞き取りやすいですね」って言われたときは嬉しくなりました。
VAIOって名前にちょっと気後れしてたけど、F14なら初めての1台にもぴったり。この記事では、そんなF14を実際に使った感じを、ざっくばらんにご紹介します。
VAIOなのに、お手ごろ価格。けれど中身はしっかり本気
正直、VAIOに対しては「ちょっと高級で手が届きにくいブランド」というイメージがありました。仕事でバリバリ使っている人とか、デザインや性能にこだわるプロの人たちが選ぶもの、みたいな。でもF14は、そんなVAIOのイメージをいい意味で崩してくれる存在です。
価格はカスタマイズモデルで13万円台から。ノートPCとしては中価格帯ですが、使ってみると「これでこの価格は、かなり頑張ってるな」と感じます。まず、見た目が安っぽくない。ボディの質感がしっかりしていて、プラスチック感がないんです。ベゼル(画面のフチ)も細くて今っぽいし、キーボードもパチパチと心地よく打てる。こういう「日々の使用感」にこだわっているのが、VAIOっぽさなんですよね。
それと、初期設定がスムーズだったのも地味に嬉しいポイント。立ち上げて数分で、普段使ってるGoogleアカウントと同期できたので、翌日からはもう普通に仕事に使えていました。安価なPCだと最初からアプリがごちゃごちゃ入っていて、整理に手間がかかることもあるけれど、F14はすっきりしていて好印象。
「安いからそれなり」ではなく、「ちゃんと使えるモノを、できるだけお手ごろに」というVAIOの新しいスタンスを感じる一台でした。
実はこのF14、VAIOの上位モデル「SX14」と同じ耐久テストをクリアしているんです。これ、正直すごいことだと思います。VAIO SX14といえばフラッグシップ機。そのレベルの強さを、この価格帯で体験できるのはかなり贅沢です。
私も普段ノートPCをカフェやコワーキングスペースに持ち出すことが多いんですが、移動のときにバッグにポンと入れても不安がないのでありがたい。天板を押してもたわまないし、持ったときの剛性感がまるで違います。「あ、これ丈夫だな」って、手に取った瞬間に分かるんですよね。
あと地味だけど助かるのが、ヒンジ部分(画面と本体のつなぎ目)のしっかりさ。ここが柔いと、開閉のたびにパカパカしてすぐに壊れちゃうこともあるけれど、F14はしっかりホールドしてくれるので、開閉してる時の安定感も抜群です。
さらに、底面の熱処理もよく考えられていて、長時間Zoom会議しても本体があまり熱くならないのもポイント。ファンの音も控えめで、図書館や会議室でも気を使わずに使えました。
VAIO F14の特徴のひとつは、なんといっても3マイク構成。これ、実際に使ってみると想像以上にすごかったです。
まず、音声がクリア。普通のノートPCだと、周囲の音やちょっとしたノイズまで拾ってしまって「音が遠い」「こもってる」と言われがちですが、F14ではそんな指摘がほぼゼロでした。特に効果を感じたのは、ビームフォーミング技術。
これは、目の前の自分の声だけをピンポイントで拾って、横や後ろの音はしっかりカットしてくれる技術なんですが、たとえば自宅で家族がテレビを見ている環境でも、自分の声だけがスッと相手に届きました。
それから、マイクの配置も工夫されていて、声がちゃんと自然に伝わるんですよね。わざわざ口を近づけたり、大声を出したりしなくてもOK。ヘッドセットを付けなくても十分な音質が保たれるので、見た目もスッキリしますし、耳の疲れもなくてラクでした。
普段からZoomやTeamsをよく使う人、あるいは授業や面接などで「声の通り」が大事な場面が多い人にとっては、このマイク性能は大きな安心ポイントになると思います。
CPUはインテルCore Uシリーズ
VAIO F14に搭載されているCPUはインテル Core プロセッサー (シリーズ 1)となっており、最新世代ではありません。そのため、最新のゲームや重めのクリエイティブ作業にはやや不向きな面があります。
ただし、これはあくまでエントリーモデルとして設計されていることを考慮すれば当然ともいえる仕様。ウェブブラウジング、Office系ソフトの使用、動画視聴、オンライン会議といった日常的な用途には十分な性能を備えています。価格とのバランスを重視するユーザーにとっては、大きな問題ではないでしょう。
VAIO F14はコストパフォーマンスに優れたスタンダードモデルとして魅力的ですが、もし予算に余裕があるなら、上位モデルのVAIO S13も検討してみる価値があります。
というのも、F14とS13はどちらもインテル Core Uシリーズといったスペックは共通していますが、S13はより高解像度なディスプレーを備え、バッテリーの持ちも長く、本体も軽量です。
F14は「必要十分」な機能を持つ堅実なモデルですが、「もう少し快適さも追求したい」という方にはS13という選択肢もおすすめです。
価格と中身のバランスが絶妙
VAIO F14は、「このくらいでちょうどいい」を上手にかたちにしたノートパソコンだと思います。
とにかく価格と中身のバランスが絶妙で、「VAIOって高そう」と思っていた人こそ一度チェックしてみてほしいモデルです。13万円台から手に入るのに、タイピングの気持ちよさや見た目の仕上がり、堅牢さなど、ちゃんとVAIOらしさがある。使っていて“所有感”というか、「これ、いいな」と自然に思えました。
そして、リモートワークやオンライン授業といった、今の時代に欠かせないシーンにも対応できるスペックをしっかり押さえているのも好印象。3マイク構成による音声のクリアさは、実際に使ってみると「ここまで違うのか」と驚くレベルでした。
たしかに、最新世代のCPUではなかったり、メモリの増設ができなかったりといった制限はあります。ただ、これは逆に「自分に必要なスペック」を最初から見極めれば無駄がないということでもあります。日常の作業(ネット、Office、動画視聴、オンライン会議など)が中心であれば、F14で全く不足はありません。
ブランド感があって、ちょっと高いよねと思っていたVAIOですが、やっぱり一度はつかってみたい。そんな人にはおすすめしたい製品ですよ。



















