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Premium Line Z890FDをレビュー

モンハンワイルズも4Kプレイ! RTX 5070&絶妙PL1設定のCore Ultra 7 265Kを採用する高品質ゲーミングPC

2025年05月23日 10時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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動作音や冷却との兼ね合いが絶妙なPL1=159W設定

 まずはPremium Line Z890FDのCPU性能を「CINEBENCH 2024」で検証した。このベンチマークソフトは、CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるというもの。結果は「pts」という独自単位の数値で表示される。この数値が高ければ高いほど、性能が高いということになる。

 テストは全コア/スレッドを使用する「Multi Core」と、1つだけ使う「Single Core」の2つ。最大性能は前者、コアあたりの性能は後者に注目してほしい。

モンハンワイルズも4Kプレイ! RTX 5070&絶妙PL1設定のCore Ultra 7 265Kを採用する高品質ゲーミングPC

CINEBENCH 2024の結果

 Multi Coreが1892pts、Single Coreが136pts。Core Ultra 7 265Kのベンチマークの結果としてよく見る数値よりも低めだが、これは電力制限設定に違いがあるからだ。Core Ultra 7 265Kの本来の定格設定は、プロセッサーのベースパワー(PL1)が125W、最大ターボパワー(PL2)は250W。

 つまり、高負荷でも短時間であれば250Wを上限に動作し、長時間になる場合は125Wまで落とす、というものになる。しかしながら、この電力設定はBTOパソコンメーカーに委ねられており、冷却性能に余裕があるなら設定を変更して出荷しても良いことになっている。

 また、マザーボードメーカーが独自のデフォルト設定にしている場合もある。そして、CPUレビューのベンチマークはそのデフォルト設定に従っていたり、最大性能を確認するために意図的に電力設定を引き上げていることもある。PL1=250Wで動かしているケースもざらだ。

 これに対し、Premium Line Z890FDはPL2こそ250Wのままだが、PL1は159W。定格(125W)よりも上げているが、その上昇幅は控えめと言える。このPL1設定の差が巷でよく見られるスコアーとの差につながったと考えられる。では、なぜこの設定なのか? モニタリングツール「HWiNFO64 Pro」でCPUのパッケージ温度と電力変化をチェックしてみた。

モンハンワイルズも4Kプレイ! RTX 5070&絶妙PL1設定のCore Ultra 7 265Kを採用する高品質ゲーミングPC

Multi Coreテスト終了直前の様子。CPUパッケージ温度は平均81度に抑えられている

 PL2(250W)動作中こそCPUのパッケージ温度は90度を超えているが、PL1(159W)になるとCPU温度の平均は80度前後で安定。これなら、室温が上がりやすい夏場でも、安心して利用できるだろう。

 ちなみに、動作音はPL2動作時だと扇風機の強風ぐらいの音だが、我慢できないほどではない。一方で、PL1動作時は静かで、ほとんど気にならないレベルだ。CPUの温度もそうだが、動作音の面でもPL1=159W設定はなかなかに絶妙なラインだと言える。

アッパーミドルなゲーミング性能

 続いて、Premium Line Z890FDの3Dグラフィックス性能を「3DMark」で調べてみよう。このベンチマークソフトは多数のテストがあるが、まずは「Speed Way」から。

モンハンワイルズも4Kプレイ! RTX 5070&絶妙PL1設定のCore Ultra 7 265Kを採用する高品質ゲーミングPC

3DMark Speed Wayの結果

 スコアーは5681とアッパーミドルのゲーミングPCとしてはまずまずの成績。手元のデータで比較してみると、Core Ultra 7 265K&GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデル(6350スコアー)には届かないものの、Radeon RX 9070&Radeon 5 9600搭載モデル(5627スコアー)とほぼ同じぐらい。

 もちろん、3DMarkやOSのバージョンなどの条件が異なるため、単純に優劣は語れない。しかし、アッパーミドルのゲーミングPCとしては優秀だという評価は間違いない。Speed WayはDirectX 12 Ultimateを使用し、リアルタイムのグローバルイルミネーションやレイトレーシングといった重たい処理が行われる。最新ゲームのリッチな描画に影響するところだけに、ここで好成績を出せたことは心強い。

 なお、Speed Way以外のテスト結果もまとめておいたので、ほかのPCとの比較で参考にしてほしい。

モンハンワイルズも4Kプレイ! RTX 5070&絶妙PL1設定のCore Ultra 7 265Kを採用する高品質ゲーミングPC

3DMarkの結果(まとめ)

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