日野市の大規模データセンター、市の見解は
日野市の工業地帯で進む大規模なデータセンターの建設計画が、市民の間で注目を集めている。建設を主導するのは大手不動産会社。地域住民からは環境や生活への影響を懸念する声も上がるなか、本件について市が公式に見解を示した。
市によれば、この計画は令和6年4月から日野市まちづくり条例に基づく手続きが始まっており、現在も手続き中の段階にあるという。市が主体的に誘致した案件ではなく、民間事業者からの提案に基づき、条例や関係法令に即して進行している点を強調する。
こうした大規模な施設の建設が地域経済や市の財政にどのような影響を及ぼすかも気になるところだが、現時点では税収面についての具体的な見通しは立っていない。
「一般的には固定資産税が増加するとされているものの、今回の計画による税収増の具体的な数値は把握できていない(市担当者)」とし、期待はあるものの、慎重な姿勢もうかがえる。
市は、開発時の公益性の確保を重視
一方で、こうした開発が地域の住環境に与える影響について、市では一定の配慮がなされているようだ。
日野市では従来から、一定規模以上の開発に対し、公園や緑地などの公共・公益施設の整備を事業者に求めてきた。今回も、事業者による新たな公園や歩道状空地などの整備が計画されており、「住みよいまちづくりに寄与するものと考えている」と市は説明している。
地域の一部で建設に関する懸念の声が見られる点について、市は「条例に基づく手続きの中で把握している」とする。事業者に対しては「適切な助言・指導を行っていく」と述べ、行政としての立場を明確にした。
事業者はこれまでに、まちづくり条例に基づき、「土地利用構想の説明会」や「開発基本計画の説明会」を開催しており、そこでは建物の高さ、電力使用量、CO₂排出量、排熱、温暖化への影響、情報開示のあり方などについて、住民からさまざまな意見が出されたという。市は、そうした声に対しても引き続き注視していく構えだ。










