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松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第49回

Outlookコネクタに「下書き」アクション登場! 自動作成したメールを送信前に確認できる

Power Automateで自動作成したメール、Outlookに「下書き保存」するには?

2025年05月15日 11時00分更新

文● 松本典子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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3. 実行結果

 実際にフローを実行してみます。

フローの実行

 今回は手動でトリガーします。フロー詳細画面の上部メニューに表示される「実行」ボタンをクリックすると、フローが実行されます。

実行結果

 メールの下書きが正しく保存されたかどうか、Outlookを確認してみましょう。

 Outlookの下書きフォルダーを開くと、「1. 事前準備」で用意した顧客リストの件数分、下書きが作成されています。さらに本文を見ると、メールアドレスに対応した会社名、担当者名、住所が入力されていることが確認できました。

4. 添付ファイル付きの下書きメールを作成する場合

 ここまでは「本文(テキスト)のみ」のメールの下書きを作成してきましたが、添付ファイル付きメールの下書きを作成することもできます。その場合は、以下のようにアクションを追加する必要があります。

フローにアクションを追加(赤枠部分)

 たとえば、OneDrive内のファイルを添付したい場合は、上図のようにファイルを取得するアクションを追加します。2つのアクションは、「ファイル メタデータの取得」がファイル名を取得するアクション、「ファイル コンテンツの取得」がファイル自体を取得するアクションです。

添付ファイルの選択

 取得したファイルをメールに添付するために、「2-3. アクションの設定:メール メッセージを下書きする」の設定に加えて、以下の設定を行います。

 (1)添付ファイル 名前:動的なコンテンツ「ファイル メタデータの取得」の「名前」を選択
 (2)添付ファイル コンテンツ:動的なコンテンツ「ファイル コンテンツの取得」の「ファイルコンテンツ」を選択

添付ファイルありの下書きメール

 フローが修正できたら保存し、実行結果を確認してみます。

 上図のように、添付ファイルが追加された状態で下書きメールが作成されているのが確認できました。

5. さいごに

 今回は、新たに追加された「下書き」アクションを試すための、ごく簡単なフロー作成にとどめました。もちろん実際には、もっと複雑なフローに下書きアクションを組み込むことになるでしょう。たとえば「トリガー時のテキスト入力」や「別のテキストファイルからの読み込み」を行い、メール本文を動的に変更できるようにすれば、同じリストの相手にさまざまなメールを繰り返し送信する業務がさらに効率化できると思います。

 これまで、Outlookコネクタのアクションでは「送信」しか選べませんでしたが、今回見てきたとおり「下書き」も手軽に作成できるようになりました。冒頭で触れたように、送信前に人の目で内容を確認したいケースや、メールの一部を手入力で補いたい場合などに、このアクションは非常に有用ではないかと思います。

 なお、今回紹介した「メールの下書き」アクションは、本稿執筆時点(2025年4月末)では、日本語の公式ドキュメントに記載がありません。

 ●「Office 365 Outlook」コネクタ ドキュメント(Microsoft Learn)

 そのため、使い方などは今後変わる可能性もありますが、ひとつの選択肢として知っておくと、Power Automateの活用範囲がさらに広がると思います。

 最後になりましたが、筆者に「下書き」アクションが増えていることを教えてくださった @yamad365 さん、ありがとうございました!

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