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KDDI、新宿駅ホームをミリ波の5Gエリアにする実証 1Gpbs超えに成功

2025年04月24日 15時15分更新

文● @sumire_kon

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実証実験のイメージ

ミリ波中継器を使った実証実験のイメージ

 KDDIと東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は4月24日、新宿駅ホームで実施した「安定した5G(ミリ波)の通信エリアを拡大する実証試験」の結果を発表。国内の駅で初めて、実証に成功したことを明らかにした。

 本実証実験は、多くの列車や人が行き交い、遮蔽物でミリ波の電波が届きにくい状況下で、ミリ波中継器を用いて通信エリアを拡大。1Gbpsを超える通信速度で、安定した通信できるか否かを確認するもの。

実験のイメージ図

 実験内容と結果の概要は以下のとおりだ。

●内容

実施場所:JR新宿駅 1番線・2番線ホーム、周辺施設など4箇所
実施期間:2025年2月10日~4月11日
評価項目:ホームと列車内でのミリ波を用いた5G通信の可否、高速・大容量通信の安定性

●結果

1. 通信エリアの拡大

・周辺の建物やホーム屋根が遮蔽となりミリ波の電波が届きにくい駅のホームでも、ミリ波中継器が自律的にエリアを形成し通信エリアを拡大することに成功

通信エリアの拡大状況

・窓ガラスにより電波が減衰しやすい列車内の運転台でもミリ波の電波を受信し、1Gbpsを超える通信が可能なことを確認

2. 通信速度・品質の維持

・列車の往来や混雑状況により通信環境が大きく変化する環境下でも、ミリ波中継器が常に最適なルートを選択して電波を中継することで、1Gbpsを超える通信速度を安定して維持することに成功

中継ルート最適化のイメージ

中継ルート最適化のイメージ

列車通過前後の通信速度の比較

列車通過前後の通信速度の比較

 今回使用されたミリ波中継器は、小型、軽量かつ光回線の敷設を必要としないため、駅のホームなど、スペースが限られた場所でも設置できる点が特徴だ。

 両社は今後も、ミリ波を含む電波の有効活用や、駅構内、沿線での通信環境向上、鉄道業務のDXに向けて取り組んでいくとしている。

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