株式会社アストロアーツ
定番の天体画像処理ソフト「ステライメージ」が約4年ぶりにバージョンアップ。さらに強力に、そして使いやすく進化
天文関連プロダクツの開発会社である株式会社アストロアーツ(東京都・渋谷区 代表取締役社長:大熊正美)は、Windows用天体画像処理ソフト「ステライメージ10」を発売しました。
ステライメージは、デジタル一眼カメラやCMOSカメラ、CCDカメラなどさまざまなデジタル撮像機材で撮影された、あらゆる天体画像に対応した画像処理ソフトウェアです。天体の淡い光を最大限に生かすため特別に設計・開発されているという点で、一般の画像処理ソフトウェアとは一線を画す製品です。
デジタル天体写真黎明期の1997年に初めてリリースされた「ステライメージ」(R)は、四半世紀を超える歴史を持ちます。その間、ご利用くださっている多くのユーザー様からご意見をいただきながら進化してきたステライメージはバージョンを10まで重ね、さらに使いやすく、かつ高機能な天体専用画像処理ソフトウェアに進化しました。
新バージョンの「ステライメージ10」では、新たな手法を取り入れて画像処理機能を強化するとともに、ユーザーインタフェースの改良によってより使いやすく進化させました。また、新たに搭載された「ヒストリー機能」を使えば、処理の試行を繰り返しながら天体写真を仕上げることができます。さらに、ソフトウェアに内蔵された「操作ガイド」を見ながら操作することで、初心者でも天体画像処理の手順を学びながら使うことができます。
〈新機能の紹介〉
●画像処理機能の強化
ステライメージ10には、これまでにない強力なノイズ処理機能を搭載しました。天体写真家「あぷらなーと」氏の協力のもと、「ピクセルマッピング」「クールファイル補正」「コスミカット」「マイナスピクセル値保護」といった新機能を搭載し、これまでの画像処理では除去しきれなかった天体写真特有の不快なノイズを除去します。どれも非常に有効な処理ではあるものの、操作が煩雑で手間がかかりすぎるという問題がありましたが、ステライメージ10ではこれを非常にシンプルなインタフェースで実現しています。
ピクセルマッピングの効果検証
また、天体写真においては、星雲の淡い部分や分子雲などの特定の階調領域を強調し、見栄えの良い画像に仕上げることが重要です。そのためステライメージ10では、特定のレベル値を強力かつ滑らかにストレッチできる「ピンポイント・トーンカーブ調整」機能を搭載しました。トーンカーブ上の3点と、「ストレッチ強度」「ローカルコントラスト」という2つのスライダーの調整によって、驚くほど簡単に微細な構造を浮かび上がらせることができます。
ピンポイント・トーンカーブ調整
他にも、画像上のゴミや不要な部分を自然に塗りつぶす「スマート補修」、特定の色相を調整できる「色相補正」などの機能追加や、既存機能である「周辺減光/カブリ補正」、「レベル調整」など多くの機能の改良を行っています。
●ヒストリー機能
天体画像を処理する場合、さまざまな処理を繰り返しながら最適なパラメータを探す作業が必要になります。従来はこれを手動で繰り返していましたが、ステライメージ10では「ヒストリー」という概念を導入しました。特定の画像に対して行った操作はすべて画像ファイル内に記録され、以前に行った処理のパラメータを後から修正することが可能になります。
●操作ガイド
ステライメージ10では、画像処理の手順書がアプリケーションに埋め込まれています。このガイドに従って処理を進めるだけで、天体画像の処理に必要な一通りの作業をこなすことができます。最初はこの流れに従って処理を行い、慣れてきたら自分独自のさまざまな処理を加えていくことで、天体画像処理の楽しみが増します。
●ユーザーインタフェースの改良
画像を操作する場合、これまではメニューやツールバーのボタンから機能を選択していたため、必要な機能を探すにはある程度のソフトウェアへの習熟が必要でした。ステライメージ10では、タブ切り替え方式のリボンバーインタフェースを採用することで、直感的に操作できるようになりました。前述の「操作ガイド」と合わせて使用することで、ソフトウェアへの慣れを必要としない天体画像処理を実現しています。
また、「クイックアクセスバー」と呼ばれるサイドウィンドウに「チャンネルパレット」「ヒストリー」「操作ガイド」を集約することでも操作性を向上しています。
〈「ステライメージ10」について〉
製品名:天体画像処理ソフトウェア「ステライメージ10」
発売日:2025年3月25日
価格:パッケージ版(DVD) 33,000円(10%税込)/ダウンロード 29,700円(10%税込)
製品情報ページ:https://www.astroarts.co.jp/products/stlimg10/
※製品情報ページから、全ての機能を30日間無料でお試しいただける「試用版」をダウンロードできます。試用版は、購入手続きを行うことでそのまま正式版としてお使いいただけます。
〈公式ガイドブック〉
ステライメージ10の公式ガイドブックは、ユーザーの皆様からのご意見をもとに、前バージョンから構成を大きく変えて実用性を高めました。ステライメージ10の新機能紹介はもちろんのこと、従来の処理手順についても、つまずきやすいポイントを中心に多くの解説を書き起こしています。初めて天体画像処理に挑戦する方から、これまでステライメージを使い続けてきた方まで、あらゆる方の助けとなります。
●目次一覧
- 1章:クイックツアーサンプル画像を使い、解説に沿って天体画像処理を体験できます。作業の流れと、画像がどのように変化していくかがわかります。
- 2章:オーバービュー天体画像処理における目的とは何か、その目的を実現するためにステライメージにどのような機能があるのかを解説します。
- 3章:前処理ノイズを除去するためのダーク補正やフラット補正、画像を重ね合わせるコンポジット(スタック)などを解説します。LRGB合成や多段階露光についても解説します。
- 4章:仕上げ処理コンポジットした画像を作品に仕上げるまでの工程です。特に自由度が高い詳細編集モードについては、星雲・星団の処理に合った順番で機能を紹介し、処理例もふんだんに掲載しています。
- 5章:さまざまな天体の処理星雲・星団以外の天体画像である「惑星」「太陽(皆既日食時のコロナ、Hα像)」「彗星」「星景」のそれぞれについて、固有のコンポジット手法や仕上げ処理を解説します。
- 6章:画像処理の基礎知識(理論編)画像処理の各ステップがなぜ必要となるのかを、デジタルカメラの仕組みや天体が光る理由にまでさかのぼりながら解説します。ステライメージの各機能をより的確に使いこなせるようになります。
- 付録「リファレンス」
〈株式会社アストロアーツについて〉
株式会社アストロアーツは、国内の星図ソフトとしてデファクトスタンダードの地位を持つ「ステラナビゲータ」や天体画像専門の画像処理ソフト「ステライメージ」、望遠鏡のコントロールから撮像まで天体撮影に関わる処理を自動化する「ステラショット」といったコンシューマ向けソフトウェアの開発、全国80以上の施設に導入されているデジタルプラネタリウム「ステラドーム」など施設向けソフトウェアの開発、天文・宇宙に関連する企業・団体様向けのシステム開発やサービス、「月刊星ナビ」をはじめとする天文関連書籍の編集・出版まで、幅広い事業を行っている企業です。
ウェブサイト:https://www.astroarts.co.jp/
お問い合わせ:https://www.astroarts.co.jp/official/enquire/
