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親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第315回

海外サイトを利用しても賭博罪にあたるので要注意!

違法のオンラインカジノ、利用者数は約196.7万人、経験者は約336.9万人に

2025年03月25日 09時30分更新

文● 高橋暁子 編集●ASCII

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アンケート配布結果とオンラインカジノの年代別利用状況

オンラインカジノ利用は「賭博罪」に該当

 お笑いタレントの吉本大さん(ダイタク)、高比良くるまさん(令和ロマン)などがオンラインカジノを利用した賭博の疑いで活動自粛を発表した。一般人のオンラインカジノ利用実態はどうなっているのか。警察庁委託調査研究であるシード・プランニングの「オンラインカジノの実態把握のための調査研究の業務委託」(令和7年1月)を見ていこう。

 「オンラインカジノ」は、スマートフォンやパソコンなどを通じてオンライン上でゲームをプレイすることで現金や暗号資産、電子マネーなどを賭ける。スロットやカードゲームだけでなく、パズルゲームのようなもの、格闘技・スポーツの勝敗を競うものなどもある。

 オンラインカジノサイトの多くは、海外で運営されている。その国では合法的に運営されていても、日本国内からアクセスしてオンラインカジノで賭博すると「賭博罪」などにあたり、違法となる。著名人を起用したテレビCMが流れていたこともあり、違法だと知らなかった人もいたのではないか。

 実際、日本では2023年にオンラインカジノにかかわる賭博事犯で107人が検挙されている。

オンラインカジノ利用数と賭額の累積比

国内のオンラインカジノ利用者数は約196.7万人

 同調査によると、オンラインカジノサイトで「有料版」をプレイしている、またはしていた「経験者」は3.47%。そのうち現在プレイしている「利用者」は2.03%、過去にプレイしたが今はやっていない「過去利用者」は1.44%だった。

 年代別の推計結果によると、20代が経験者数(約110.1万人、経験率8.66%)、利用者数(約73.8万人、利用率5.80%)ともに最多であり、30代がそれに続く。一方、50代以降では利用率も経験率も急激に低下しており、若年層が利用率経験率ともに高くなっている。

 また、年代別の推計値を合計したところ、日本国内の15~79歳の総人口におけるオンラインカジノの推定利用者は約196.7万人、利用率は2.02%。経験者は約336.9万人、経験率は3.45%と推計された。

1ヵ月あたりの平均賭額の推計

1人あたりの平均賭額は月約5.2万円

 回答した経験者が1ヵ月間に賭けた金額の合計は約2600万円で、1人あたりの平均賭額は月に約5.2万円だった。

 1ヵ月あたりの平均賭額を見ると、10万円以上を賭ける者は約1割だが、この1割による賭額が全体の約7割を占めている。少数の人が高額を賭けている実態がよくわかるだろう。

 政府は現在、インターネット事業者がオンラインカジノサイトへ誘導することを禁じる方向で、法規制を検討中だ。

 スマホで気軽に始められる一方、日本では違法で処罰対象となる。若者が気付かずに利用することがないよう、周囲の大人は見守っていただければ幸いだ。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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