iPhone 16e搭載のApple C1に対する優位もアピール MWCクアルコムブース
2025年03月07日 08時30分更新
AIに関連したソリューションも多数展示
将来のネットワークに向けた投資も続ける
クアルコムは、モバイル分野だけでなく、AI技術を活用した幅広いソリューションを展示していた。「AIオーケストレーターSDK」を活用したデモンストレーションでは、デバイス上で動作するAIモデルが、ユーザーのSMSチャット履歴などの個人情報を安全に活用し、より自然でパーソナライズされたエージェント機能を実現するというもの。
デモでは、過去の友人との会話内容をAIエージェントに質問することで、数日前、数週間前の情報を瞬時に検索し、回答する様子が紹介された。さらに、音楽の再生履歴から好みの楽曲を提案したり、コンサート会場への経路案内をしたりと、複数のアプリケーションを意識することなく、単一のインターフェースで様々な操作を実行できる。
クアルコムは、このようなAI技術が、将来的にはOSや特定のプラットフォームに依存しない、よりオープンなエコシステムを構築する鍵になると考えている。
エンタープライズ向けのAIソリューションも多数展示されていた。石油会社のAmocoと協業し、石油プラントの管理にAIを活用する事例が紹介された。クラウドに依存せず、エッジ側でデータを処理ことで、リアルタイムな状況把握と効率的な運用を支援するという。また、「AIゲートウェイ」という新しいコンセプトの製品も展示され、ネットワークインフラにおけるAIの可能性を示唆していた。
今回のMWCでは、クアルコムがモデムの命名規則を変更したこともアナウンスされている。これまで「Snapdragon X〇〇」とされてきたモデムは、「Qualcomm X〇〇」という名称に変更される。これは、CPUの「Orion」などが「Qualcomm Orion」に変更されるのと同様に、テクノロジーブランドをより明確にするための戦略とのこと。
また、5GインフラやWi-Fi関連の製品群のDragon Wingを紹介するエリアでは、5Gインフラ向けのビデオ処理アクセラレータカード「X100 Video Card」や、オープンRAN(O-RAN)に対応した無線ユニットなどが展示され、「Dragon Wing」ブランドのもと、着実に製品展開が進んでいることが示されていた。
将来のネットワークを見据えた研究開発も積極的に進められている。ブースの一角では、「デジタルツインモデム」とでも呼ぶべきR&Dアイテムを展示。これは、特定のエリアの建物などを3Dスキャンし、その環境下での電波伝搬やネットワークキャパシティを事前にシミュレーションするというもの。これにより、ネットワークの構築や最適化を効率的にすることが可能になると期待される。

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