GPUはRTX 4070 Ti SUPER、「GALLERIA XA7R-R47TS 9800X3D搭載」の実力をチェック
“フルHDで超快適”より少し高みを目指すなら、Ryzen 7 9800X3DのゲーミングPCに注目
2025年02月27日 11時00分更新
サードウェーブのゲーミングパソコン「GALLERIA(ガレリア)」シリーズの「GALLERIA XA7R-R47TS 9800X3D搭載」(以下、XA7R-R47TS)は、CPUにゲーミング最強の「AMD Ryzen 7 9800X3D」を、GPUには「NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti SUPER」を搭載する、ハイエンド寄りのアッパーミドル構成で仕上げられたゲーミングパソコンだ。
前回は使い勝手の良いPCケースデザインや堅牢なPCケース内部構成などをチェックし、基本的なベンチマークソフトでXA7R-R47TSの基礎パフォーマンスを確認してきた。
その結果、ゲームパフォーマンスのチェックに入る前からRyzen 7 9800X3Dの優れた素性を垣間見れたわけだが、今回よりRyzen 7 9800X3Dの主戦場ともいえる実ゲームでのパフォーマンス検証に入っていく。
今回は、比較的グラフィック負荷の低めな軽~中量級ゲームタイトルを中心に検証を進める。そのようなケースではCPUのゲーミング性能がより重要になると考えられているので、ゲーミング最強CPUのRyzen 7 9800X3Dを搭載するXA7R-R47TSがどのようなパフォーマンスを発揮するのか、確認していこう。
高フレームレートが期待される軽~中量級ゲームタイトルでのパフォーマンス計測は、期待通りの結果に
ではさっそく、ゲーム系ベンチマークやゲームプレイ中のフレームレート計測をとおしてXA7R-R47TSのゲーミング性能を見ていこう。
先述したように今回は軽~中量級の比較的軽負荷なゲームタイトルを集めている。使用したゲームタイトルは次のとおり。
・「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」:定番MMO RPGベンチマーク。動作は比較的軽め。
・「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」:人気対戦格闘ゲームの動作確認ベンチマーク。動作は軽量級。
・「Apex Legends」:軽~中量級の定番FPSタイトル。
・「Call of Duty: Black Ops 6」(以下、CoD:BO6):人気FPSの最新タイトル。動作は中~重量級
いずれのタイトルも基本的にグラフィックスオプションはゲーム内の最高設定を選択するようにし、解像度は1920×1080ドット(フルHD)、2560×1440ドット(WQHD)、3840×2160ドット(4K)の3パターンを計測している。
1本目は、ゲーム系ベンチマークの定番となっているファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークから。画質設定はプリセットから「最高品質」を選択。FSRやDLSSなどのアップスケーラーは無効にして常時100%レンダリングを行なう設定とした。
フルHD、WQHDともに“非常に快適”の評価ラインとなるスコアー15000を大きく超えていて、平均フレームレートも非常に高い結果が得られた。4Kではスコアー15000を割って“とても快適”の評価になってしまったものの、それでも平均フレームレートは60fpsを大きく上回っており、ファイナルファンタジーXIVのゲーム性であればまったく問題なく快適に遊べるだろう。
またここで過去のデータと少し比較してみると、「Core i7-14700KF」&「GeForce RTX 4080 SUPER」という上位GPUを搭載したゲーミングパソコンでのベンチマーク結果は、フルHDのスコアーが約30500、WQHDが約26000、4Kが約15000というものだった。
WQHDと4KではGPU差で負けてしまっているものの、フルHDではXA7R-R47TSの方が大きく上回る結果となっている。GPU負荷の低い低解像度ではGPUのモデル差をもひっくり返してしまっている可能性がある。これはRyzen 7 9800X3Dのゲーミング性能の高さゆえかもしれない。
2本目は人気対戦格闘ゲームの動作確認を行なう、STREET FIGHTER 6 ベンチマークツールを計測。オプションの画質設定はクオリティ「HIGHEST」をベースにし、「MaxFramaRate 120」と「Vsync OFF」に設定を変更した状態で計測を行なった。
結果は全解像度において「FIGHTING GROUND」(対戦格闘シーン)は規定の60fps、その他のパートは設定上限の120fpsをほぼ出せているという結果が得られた。もちろんトータルスコアーは全解像度で「100/100」の“快適にプレイできます”の評価が得られている。
STREET FIGHTER 6のような対戦格闘ゲームは、対戦中にしっかり60fps固定できることが重要とされているが、XA7R-R47TSであれば4K解像度でもまったく問題なく対応できることを確認できた。
比較的動作の軽いSTREET FIGHTER 6とはいえ、「GeForce RTX 4060 Ti」などのミドルクラスGPUでは4Kで60fps固定できないといった経験もあったので、ここはアッパーミドルクラスGPUであるRTX 4070 Ti SUPERの底力を見たというところだろうか。
3本目は定番FPSタイトル「Apex Legends」より。グラフィックス設定はすべてのオプションを最高の状態とした「最高設定」とし、アンチエイリアスは「TSAA」を選択した状態だ。
射撃訓練場で特定のルートを移動したのちに「バンガロール」の「スモークランチャー」を射出して煙が無くなるまで待機。という一連の動きに対してのフレームレートを計測している。
フレームレートの計測には「CapFrameX」というアプリを使用。平均フレームレートのほかに、データ全体を100分割し最小値から1%の数値を「min(1%)」として最小フレームレートの代わりに記載している。
フルHDでは平均299.9fpsを記録しており、ゲーム内上限設定である300fpsにほぼほぼ張り付いているという結果が得られた。WQHDの平均288.7fpsという結果も、上限値の300fpsに張り付いている時間が長いということを意味している。フルHDやWQHDであれば最高の環境でゲームを楽しめることだろう。
4Kでは多少フレームレートが落ちてしまうものの、現在の普及価格帯4Kゲーミングディスプレーに多いリフレッシュレート144~160Hz対応製品にドンピシャのパフォーマンスといえるだろう。4Kでも十分実戦に堪え得るパフォーマンスを見せてくれた。
今回最後となる4本目のタイトルは、長年のシリーズ展開でファンも多いCall of Dutyの最新作CoD:BO6。グラフィックスにも拘っている作品ではあるものの、レイトレーシングといった重たい処理は用いられておらず、グラフィックス負荷的には中量級あたりに位置するゲームタイトルだ。
画質設定はクオリティのプリセットから「極限」を選択し、アップスケーラーとしてDLSSの「クオリティ」を指定。DLSSのフレーム生成(DLSS FG)も有効にした状態としている。ゲームに付属するベンチマークモードを使用しフレームレートの計測を行ない、ベンチマーク結果から平均フレームレートと下位1%の数値を抜粋している。
結果はフルHDで平均241fps、WQHDで平均179fpsを記録しており、リフレッシュレート240Hzや165Hzのゲーミングディスプレーを十分に活かせるパフォーマンスが確認できた。4Kでも平均100fpsオーバーと十分なめらかな動きを期待できる数値が得られている。
フルHDやWQHDでの高フレームレートが持ち味。それでいて4Kもいける万能選手ぶりを見せた
以上の検証結果から、XA7R-R47TSは特にフルHDとWQHDにおいて、高性能ゲーミングディスプレーを存分に活用できるパフォーマンスを持つゲーミングパソコンであることが伺える。
一方、4Kでも十分滑らかといえる高フレームレートを叩き出しており、4Kゲーミングもターゲットになるということを確認できた。
なお、ほかCPUとの直接比較をしなければ、Ryzen 7 9800X3Dのゲーミング性能の高さを実感し難いのが残念なところだが、ファイナルファンタジーXIVベンチマークでも述べたように、場合によっては上位GPU搭載のゲーミングパソコンをも喰ってしまうパフォーマンスを発揮する可能性があるのが、Ryzen 7 9800X3Dの恐ろしいところだ。
今回は軽~中量級のゲームタイトルを中心に検証を行ったが、次回は重量級のゲームタイトルを中心にパフォーマンスを検証していく。今話題のあのゲームタイトルでの検証も行なうので、お楽しみに!
| 試用機の主なスペック | |
|---|---|
| モデル名 | GALLERIA XA7R-R47TS 9800X3D搭載 |
| CPU | Ryzen 7 9800X3D、4.7GHz~最大5.2GHz(8コア/16スレッド) |
| CPUクーラー | ASETEK 624S-M2(水冷式) |
| グラフィックス | GeForce RTX 4070 Ti SUPER、GDDR6X 16GB |
| メモリー | 16GB(DDR5-4800 8GB×2) |
| ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD(Gen4) |
| 内蔵ドライブ | ー |
| チップセット | AMD B560 チップセット |
| インターフェース(前面) | USB 3.2 Gen1 Type-A×4、オーディオアウト、オーディオイン |
| インターフェース(背面) | SB 3.2 Gen1 Type-A×5、USB 2.0 Type-A×4、USB 3.2 Gen2 Type-C、1000BASE-T LANポート、HD Audioコネクタ、HDMI、DisplayPort×3 |
| 電源 | 50W 80PLUS GOLD |
| PCケース | ガレリア専用 SKケース (ATX) スタンダード(ガンメタリック)Ver.2 |
| サイズ | およそ幅220×奥行440×高さ480mm |
| OS | Windows 11 Home(64bit) |
| 価格 | 41万4980円から |










