もっとオッサンを──もっとポエムを──
「命をのせて書くんだ いちばん好きなマンガでいくのが当然だろう」大事なことはすべて『湾岸ミッドナイト』のポエムから学んだ大人
2025年01月01日 15時00分更新
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峠で豆腐を運ぶより首都高でポエムだろ!
クルママンガは数あれど、湾岸ミッドナイトほど心に響くマンガはありません。筆者は一通りのクルママンガは読んでいますが、なぜその中で『湾岸ミッドナイト』がベストオブベストなのかを語りたいと思います。このマンガに影響されてRX-7(FC3S)を買ったり、ポルシェ雑誌で働いたりと影響を受けた大人として──
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湾岸MIDNIGHT(1) (ヤングマガジンコミックス) |
湾岸ミッドナイトは首都高を舞台に、悪魔のZと呼ばれるフェアレディZ(S30Z)に惹きつけられる人たちのカーバトルものではあるのですが、メインはチューナー(クルマを改造する人)と呼ばれるオッサンたちのポエムにシビれるのが正しい読み方です。女性より、オッサンの新キャラが出てくると盛り上がるマンガなのです。
そんなオッサンたちの人生訓というか、名台詞(ポエム)がクルマ好きの共感を呼んで、ネットで「湾岸ポエム」とミーム化しているのを見たことがあるかもしれません。
せっかくなので、筆者が大きく影響されたポエムをいくつか紹介しますので、ぜひビジネスや日常会話で使ってみてください。「……」や「──」をつけるとそれっぽくなるヨ──。
ビジネスでも使いたい湾岸ミッドナイト名台詞
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湾岸MIDNIGHT(21) (ヤングマガジンコミックス) |
「その車は……
まるでくるおしく、身をよじるように走るという……」(第2巻より)
悪魔のZを指して。出会ってしまったものは一瞬で魅せられ、いくところまでいくしかないのです。
「命をのせて走るんだ
いちばん好きな車でいくのが当然だろう」(第6巻 226Pより)
RX-7(FD)で悪魔のZに戦いを挑もうとするライバル(マサキ)が、周りからロータリーエンジンは不利だと諭されたときのセリフ。自分の企画にダメ出しされたときに。
「今夜でなければダメなんだ
同じ夜はもう2度とやってこない」(第7巻 197Pより)
マサキがFDに乗って首都高で最終セッティング中に、偶然、悪魔のZを発見したときのセリフ。完璧ではないけど、ここを逃したら一生後悔する、という覚悟です。意中の女の子を飲みに誘いたいときに。
「パワーは出て当たり前
大事なコトはいつもその先なんだ──」(第10巻 18Pより)
たとえば、プロの歌手だったら歌が上手いのは当たり前でそれ以上の魅力が求められますし、我々もちゃんとした記事を作れて当たり前で、それ以上の何かを伝えられるのがメディアなのです。
「正しいと言われる千の言葉より
自分の 心の針の振れを信じてゆく」(第15巻 161Pより)
チューナーは損とか得とかではなく、心の針が振れた方に進むことがあるという話の流れで。正しい道を進むことが正解というワケでもないですからね、人生は。正論で論破されたときなどに。
「教えるコトによって…
教えられるコトがある──
伝えるコトによって、気づくコトがある──」(第20巻 194Pより)
自動車評論家でライバルの「城島」が主人公にいろいろ教えているときのセリフ。これは実社会でもありますね。後輩とかに仕事教えてて改めて気がつくこととか。
「正しいコトと
自分がそれを
セレクトするかは
また別だろ」(第21巻 53Pより)
雑誌やテレビを通じて正しいコトを言うけど、それを選択するのは受け手の自由で俺がソレを選ぶかは関係ない、ということ。良い悪いと好き嫌いは別なのです。世の中、K-POPが受けているのにメタルを聴いていることを正当化したいときに。
「誰かが何かをする
すると必ず声がする……
どこかで仕入れた知識や
本で拾ってきた理屈並べて
そんなことは知っていた……
とっくにわかっていた……
やらないヤツは
いつもそう言う」(第31巻 76Pより)
今のご時世にピッタリな名台詞ですね! 知識でマウントを取られた場合に。
魅力的な登場人物とポエムを楽しめる傑作
ただしクルマの知識がないとキツイ
キリがないので名台詞集は前半までにしておきますが、最後に筆者のお気に入りエピソードを紹介します。
第5~8巻「マサキ」編。自動車ブローカー・マサキが首都高で悪魔のZに出会い、昔乗っていたRX-7(FD)でZに挑む話です。スピードの乗らないC1内回りの赤坂ストレートで300km/h出そうとするところが見どころ。終わり方が最高にカッコイイです。
第20~24巻「城島洸一編」。自動車評論家の城島洸一が悪魔のZとアキオを紹介され、自分のケジメのためにも当時乗っていたRX-7(FC)を探し出して、Zにバトルを挑む話。名台詞が出まくりのエピソードです。当時筆者もフリーランスだったのと、結構出版のリアルな状況が描かれていたので、感情移入しちゃいました。このエピソード読んでRX-7(FC)買いましたから(笑)。
第29~33巻「マコト」編。男の影響でクルマにハマってキャバ嬢で生計を立ててる読者モデル・マコトが登場。偶然知り合った「Z32(フェアレディZ)しか速くできない男」に出会って、クルマへの向き合い方が変わっていく。GT-Rと同時期に誕生したのにあまり評価されなかったZ32を主軸に、女子とオッサンの二人三脚で進んでいきます。いろいろ切なくて好きなエピソードです。
以上、湾岸ミッドナイトのオススメのポエム(名台詞)とエピソードを紹介しました。絵はとっつきにくいかもしれないし、専門用語も多いうえにセリフもたくさんあるので、人を選ぶマンガではあるのですが、オッサンになってから読むとまた違った魅力がわかります。
最後に、交通ルールは守って安全運転を心がけましょう!
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