デザイン性も兼ね備えたイヤーカフタイプ
一方、耳をふさがないイヤホンが世の中で知られるようになるきっかけはイヤーカフタイプの製品とも言える。本体はクリップのような形状で、耳穴ではなく、耳のふちの部分に装着。耳穴から少し離れた位置から耳穴を狙って音を出す。その際には音量を絞るため、外音の聞きやすさと音漏れの両方を防げる仕組みだ。
空気振動で音を発生させるので、一般的なイヤホンと同じドライバーが使え、高音質。デザインにも気を配った製品も多く、選ぶ楽しみもある。一方で、耳に挟むための着脱に少し手間がかかる。耳に対して音がしっかり飛ばないと音質が悪くなるので調整が少し大変という面がある。また、装着部分が固かったり、本体が大きかったりすると長時間の装着が辛く感じたりするので、使う人(自分)と相性のいい製品に出会えるかが重要とも言える。
ファーウェイの「HUAWEI FreeClip」はデザイン性に優れた製品。イヤホン単体の軽さは約5.6g。約8時間の連続音楽再生に対応する(ケース充電込みで約36時間)。IP54対応でBluetoothはSBC/AAC/L2HCコーデックに対応。通話品質にもこだわっている。実売価格は2万円台後半。
JVCケンウッドの「HA-NP1T」は音アクセという製品の特徴をよく示すキャッチで訴求されている。通常イヤーカフ型では前後をつなぐ部分に弾力のある素材を使うことが多いが、この製品ではデザイン重視でメタリック塗装をしたいとのことで敢えて硬い素材とし、その代わりに両端をバネを使ってしっかりと抑える仕組みにしているという(フレキシブルアジャスト)。装着感はよく、音も中高域がきれいで、JVCケンウッドらしい色彩感あふれる華やかな音色が魅力に思えた。
また、10mm口径と大型のドライバーを搭載し、低域なども豊かに再現できる。小さな耳の人でも合う小型形状とのバランスが開発に苦労したところだという。イヤホン本体の重さは約4.9g。本体のみで8時間の連続再生、ケース充電込みで最大約24時間の利用が可能。BluetoothコーデックはSBCとAACに対応。実売価格は2万円弱
参考展示されていたラディウスの「H10BT」(仮)は、2月の発売を予定しているヒアスルーモデルで、6000円以下の低価格を目指しているという。同ブランドでは骨伝導をハイエンドに位置付け、空気振動モデルはより手軽にというコンセプトだそうだ。柔らかいブリッジ仕様で、付け心地に拘っている。イヤーカフタイプは装着部が硬めで、耳を伸ばさないと入らないものも多くその手間を減らそうとしている。
チタニウムコーティングの振動板も用いており、コスパの高さをアピール。 実際に聞いてみたが、解像感が高く聞こえ、特に金属音などの鋭い表現が印象的だった。BLuetoothコーデックはSBCとAAC。音漏れも非常に少なく、かなり高く音量を設定していても大丈夫そうだ。イヤーカフのデザインで耳に鎮座する、猫バージョンも期待したいところだ。