12月14日からベルサール秋葉原で開催中の「ポタフェス2024冬 秋葉原」。様々な製品が展示されている中、広がり注目を集めているのが「耳をふさがない」「ながら聴きできる」イヤホンだ。
テレワークなども増える中、音楽や通話をしながら「外の音も聞ける製品」の需要は高まっている。外の音が自由に聞ければ、音楽などを聴きながらの作業や、家事・散歩・スポーツなど屋外で使用する際にも便利だ。会場で見つけた製品の中から、気になるものを新旧含めて紹介していこう。
定番はやはり骨伝導か
一口に「耳をふさがないイヤホン」と言っても、イヤーカフ型、オープンイヤー型、イヤースピーカー型、骨伝導など、様々なタイプが存在する。装着方法や音質などで個性を競っているジャンルのため、デザインも含めて選ぶ楽しさがある。
定番はやはり骨伝導。骨伝導はアクチュエーターで頭蓋骨の一部を揺らし、鼓膜の奥にある蝸牛に直接音を伝えるのが特徴だ。耳はふさがず、鼓膜には外音が直接入ってくるので、周囲の音を聴きながら使えるのが特徴だ。
デメリットは、音圧が出しにくい点。大きな振動を出そうと思うと電力が増えてしまったり、振動が音漏れにつながったりする。また、フィット感が悪いと震えくすぐったく感じたり、騒音の中では音がやや聞きにくくなる面もある。音質はかなり改善しており、以前のようにナローレンジで音楽に適さない印象はない。高音質も狙えるものに進化している。防水性能も出しやすく、ランニングやウォーキングといった体を動かす用途にも適している。
骨伝導ヘッドホンというとShokzの製品が有名で、ポタフェスでも「Open Run Pro 2」という製品の展示が大きく展開されていた。Open Run Pro 2は空気振動と骨伝導を組み合わせて高音質化を図っている製品で、約30gと軽量。再生時間も連続12時間と、かなり長く設定されている。IP55相当の防水にも対応して、価格は2万円台後半だ。
また、振動を伝える方法の違いで「軟骨伝導」という異なる仕組みもある。伝達経路の違いから、骨伝導のように音圧を上げなくても比較的音を聞き取りやすいのが特徴だ。頭蓋骨ではなく、耳介軟骨を介した振動で音を伝えるため、装着も軟骨部分に軽く触れるだけでいい。オーディオテクニカの「ATH-CC500BT2」はその第2世代。
さらに音圧を高めているほか、LE Audioにも対応。連続20時間の再生(10分の充電で120分の急速充電)、10時間の通話にも対応するスタミナモデルだ。価格は2万円台前半。
Open Run Pro 2やATH-CC500BT2は、左右がつながったヘッドバンド型だが、完全ワイヤレスもある。現在GREEN FUNDINGで支援を受け付けている「EO SPACE」は、骨伝導と空気振動の両方に対応した面白い製品だ。これは高音質かにも音漏れ防止にも効果がある。
このように骨伝導イヤホン/ヘッドホンはどんどん改良されており、デメリットである音圧の取りにくさ、レンジの狭さ、音漏れなどの対策が進んでいる。ポタフェスではその進化の一端を垣間見れた。