函館本線 森駅〜石倉駅間で11月16日未明、貨物列車の脱線事故が発生。この影響で11月18日現在も、一部列車の運休やバスによる代行輸送が実施されている。JR貨物とJR北海道によると、運転再開は11月19日早朝の見込みだ。
走行中に貨車5両が脱線
事故が発生したのは11月16日1時41分頃。名古屋貨物ターミナル駅発・札幌貨物ターミナル駅行きのコンテナ貨物列車(20両編成)が函館本線森駅〜石倉駅間を走行中、運転士が後部が引っ張られるような感覚を認めたため、非常ブレーキを操作。車両を点検したところ、貨車5両(12、15,17、19、20両目)が脱線していたという。
今回の事故を受け、同線では森駅〜長万部駅で11月16日始発から、すべての普通列車と貨物列車を運休。さらに特急「北斗」も函館駅〜洞爺駅間が区間運休となり、多くの利用者に影響を与えた。
翌11月17日からは函館駅〜長万部駅間で代行バスを1日8往復、長万部駅〜札幌駅間で特急「北斗」を同4往復体制で運転しているが、本来の特急列車11往復+普通列車の体制と比べ、輸送力が大幅に低下している。
貨物列車についても11月18日現在、北海道〜本州間を中心に最大44時間36分の遅れが発生しており、物流への影響は避けられない状況だ。
事故原因は調査中 JR貨物は年内2度目の脱線事故
脱線事故の原因についてはわかっておらず、JR貨物とJR北海道が復旧作業と並行して調査を進めている。
両社によると、脱線は現場手前の踏切付近から発生したとみられ、当該踏切付近のレールに3ヵ所の損傷も見つかっているが、10月6日に実施した線路点検では異常はみられなかったという。
なお、JR貨物は7月24日にも山陽本線新山口駅構内で機関車が脱線しており、後日社内調査で輪軸組立時の不正行為が判明。国土交通省の特別保安監査を受けている。