マイクロソフトは11月6日、Windows 11 InsiderプログラムのCanaryチャネルとDevチャネル向けに、「ペイント」と「メモ帳」アプリのAI機能アップデートの提供を開始した。
生成AIの活用でテキストによる編集指示や自然なオブジェクト消去が可能に
画像編集アプリ「ペイント」では、AIを活用した機能として、「生成フィル」と「生成消しゴム」が追加されている。
●生成フィル
生成フィルはテキストでAIに指示することで、画像全体のスタイルを維持したまま、指定した領域にAI生成画像を追加できる機能。例えば、古株のWindowsユーザーにはおなじみの草原の画像に、AIが生成した古城の画像を自然に合成するようなことも可能だ。
提案された画像が気に入らない場合は、「再試行」ボタンやテキストプロンプトの変更で、再度画像を生成すればよい。
本機能はSnapdragon搭載のCopilot+ PCから展開され、利用にはMicrosoftアカウントでのログインが必要。同社は詳細を明らかにしていないが、一部地域では利用できない場合がある。
●生成消しゴム
生成消しゴムは画像内の選択したオブジェクトを消去した後、AIがオブジェクトのあった位置に自然な背景画像を生成し、まるで最初からオブジェクトがなかったかのように仕上げる機能。一言で言えば、グーグルの「消しゴムマジック」に相当するものだ。
こちらはCPUの制限はなく、すべてのWindows 11搭載PCで利用できる。
メモ帳ではテキストのAI編集が可能に
テキストの閲覧や編集に使用する「メモ帳」アプリでは、文章の言い換えやトーン調整、長さの変更など、生成AIを利用した編集機能が追加された。
書き換えたい文章の範囲を指定し、右クリックまたはメニューバーから「書き換え」をクリックするか、キーボードショートカット(Ctrl+I)で編集機能が起動。AIが候補を3つ提案してくれるので、あとは気に入ったものを選ぶか、「再試行」をクリックして別の案を生成させればいい。
メモ帳のAI編集機能については、米国、フランス、英国、カナダ、イタリア、ドイツでプレビュー版を提供中。利用の際はMicrosoftアカウントへのログインが必要となる。
開発版のためメインPCでの利用は非推奨
上記の機能はいずれも段階的に展開されるため、対象ユーザーであってもすぐに利用できるとは限らない。
また、Insiderプログラムで提供されるWindowsは開発中のバージョンのため、未知の重大なバグや脆弱性を抱えている可能性もある。仕事、プライベートを問わず、メインマシンへのインストールは非推奨だ。