自律型AIエージェントを育てる「UiPath Agent Builder」などの新ツールをリリース
「請求書の不備を見つけ再送依頼」までAIが自動処理 UiPathは“エージェンティック”への進化目指す
2024年11月07日 12時55分更新
“新入社員に仕事を教えるように”AIエージェントを育てるAgent Builder
エージェンティックオートメーションという新たな製品戦略に基づき、UiPathではその実現のためのプラットフォーム構築を進めていく。今回、プラットフォームの構成要素として複数のツールがリリースされている。
開発者向け「UiPath Studio」の新ツールとして追加されたのが「Agent Builder」だ(12月からプレビューリリース開始)。これは、UiPathプラットフォーム上でロボットと協調動作するエージェントを構築するためのツールである。
Agent Builderでは、エージェントに対する指示をプロンプトとして入力できるほか、エージェントが実行できるアクションを指示したり、自社内にある独自の情報や専門知識を参照させたりできる。さらに、エージェントでは判断が難しい場合に備えて「誰にどうエスカレーションを行うか」を指定することも可能だ。
また、Agent Builderはフィードバックと評価の機能も備えている。エージェントが行った処理に対して、人が修正指示などを出せばそれを学習して“賢く”なっていく。さらに、構築したエージェントの処理精度(信頼度)のスコアも自動的に算出するという。
「これはちょうど、新入社員に仕事を教えるのと同じような感覚だ。『こういう内容の仕事を』『このツールを使って』『この情報を見ながら』進めてほしい、『困ったらこの人に聞いて』という指示も出せる。さらに、フィードバックから学習して、どんどん仕事のやり方がうまくなっていくのも同じだ」(夏目氏)
なおプロンプトについては、ユーザー企業自身で複雑なプロンプトエンジニアリングを行う労力を軽減できるよう、UiPathからカスタマイズ可能なテンプレートを提供する予定だと述べた。
このAgent Builder以外にも、構築したエージェントを社内で公開/共有するカタログツール「Agent Catalog」、ワークフロー内ではなく独立したエージェントアプリを構築できる「Agent Apps」などもリリースされている。
RAG対応のAIアシスタントや、RPAワークフローの自動修復ツールもリリース
RAGに対応したチャットベースのAIアシスタント「Autopilot for everyone」もリリース(一般提供開始)された。UiPathユーザーは追加料金なしで利用できるという。
UiPathではすでに7月から、開発者向けの「Autopilot for developers」、テスター向けの「Autopilot for testers」を提供している。今回は新たに“あらゆる従業員向け”のAutopilot for everyoneをリリースした。
Autopilot for everyoneは、RAGを通じて社内外のさまざまな情報を参照し回答できること、主要な業務アプリケーションや独自構築のワークフローを実行できること、そして過去のアクション結果から“学習する”ことを特徴としている。
なお、Agent BuilderやAutopilotはRAGの機能を備えるが、ユーザーがドキュメントファイルをアップロードするだけでRAGの情報ソースとして使える「コンテキストグラウンディング」もリリースされた。
そのほか、RPAの自動化ワークフローを生成AIが自己修復する「Healing Agent」(プレビューリリース)も発表された。RPAではアプリケーションのUI変化が自動実行エラーの原因となるが、Healing Agentではその原因を解析して自動修正を行うことができる。
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UiPath日本法人 カントリーマネージャーの南哲夫氏は、10月下旬に米国で開催された年次イベント「UiPath FORWARD」に参加した日本の顧客企業やパートナーから聞かれた声を紹介した。
「『UiPathの未来と方針、熱量が伝わってきた』『RPAの時代をUiPathと作ってきた、新しいエージェンティック(オートメーション)の時代も日本のユーザーと作り上げていきたい』『Autopilot for everyoneはすぐにでも検証を始めたい』など、さまざまなご意見をいただいた」(南氏)