タイやフィリピンの定番チェーン店で人気メニューを調べても
なんだかあまりパッとしない結果に
生成AIアシスタントはマイナーでいい場所を教えてくれる。ここまでの経験でそう思ってしまったのだが、タイでは思ったようにいい回答が出てこない(タイ語が苦手!?)。
「伝統的なおもちゃを売ってる店はどこですか?」と聞けば、実在しない「タイ伝統玩具店」「バンコク伝統玩具センター」などといった店名を回答し、あったとしても、週末に開かれる観光地としても人気な「チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケット」ばかりが回答で出てくる。
違うんだ、もっとローカルでディープな回答がほしいんだ。タイで効果のあった質問手法が、知っている好きな店の名前を挙げて「この店のような店はありますか?」と聞く方法だ。ただこれでは、すでに何度も行っているリピーターにはいいが、初タイ渡航でマイナーでローカルなところに行きたい! というニーズに応えにくい。誰かが発信したおもしろいタイの店や場所を記録して、「●の店のような店は他にもタイにありますか?」と聞いてみるといい回答が出ることだろう。
ところで、タイといえばセブン-イレブンが多い。ファミリーマートもあるが、大都市から地方都市、国境の街までどこに行ってもセブン-イレブンがあって、冷房が入る店内は暑くて参った時の回復ポイントとなる。
ここで買うものは筆者もどうしても同じになってしまうが、ここは気分一転のため、生成AIアシスタントに「タイのセブン-イレブンで人気の商品を教えて」と聞いてみた。タイ語で出てきたものをコピーして画像検索すると、人気商品が出てくる。さすがにタイのどこにでもあるセブン-イレブンであれば、多数のデータを学習しているはず。選んだたまごパンは普段注目した記憶がなく、それだけに新鮮な気持ちで探して買い物ができた。
余談だがフィリピンに行ったときのこと。フィリピンといえばマクドナルド以上に人気のファストフードチェーン「ジョリビー」というのがある。
そこで人気のメニューを生成AIアシスタントに聞いたところ、「ジョリビーでは、「特に人気のある料理はジョリビー・チキンやジョリビー・ビーフです。これらは、ジョリビーの特製ソースと独自の調理法で作られた、美味しいステーキ料理です。また、サイドディッシュとしては、ガーリック・マッシュポテトやサラダも人気があります」との回答が。また「シチューが人気です」という回答も。店に行ってみるとメニューにビーフステーキっぽいものはあるものの、チキンステーキもシチューもないのだ。適当なことを言ってくれたようだ。
いろいろな国、いろいろなシチュエーションで使ってみた。その結果は、使えるアドバイスも使えないアドバイスもあった。それで切り捨てるのではなく、使えないアドバイスなりに従えば、旅慣れた場所も楽しめたし、買い物も楽しめる。マンネリに巡回をどうにかしたい、旅行好きにはお勧めしたい。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で、一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」、「中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか? 中国式災害対策技術読本」(星海社新書)、「中国S級B級論 発展途上と最先端が混在する国」(さくら舎)などを執筆。最新著作は「移民時代の異国飯」(星海社新書、Amazon.co.jpへのリンク)
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