受話器の向こうに居るのは詐欺師
突然ウイルス感染報告と電話番号が! それは偽警告です
2024年10月19日 07時00分更新
・いわゆる「サポート詐欺」が多発しており、警察庁も警戒を呼び掛けています。
・ブラウザに偽の警告画面を表示させて不安をあおり、サポートと称して表示中の電話番号に掛けるよう促します。その後、遠隔操作をするソフトをインストールさせられた挙句、何の問題もないのに有料のセキュリティサポート契約を結ばされます。
・表示された電話番号に掛けてはいけません。受話器の向こうに居るのは詐欺師です。実際はウイルス感染していませんので、ブラウザを閉じれば問題ありません。
わずか半年で1000件以上の被害
ここ数年、「サポート詐欺」と呼ばれるサイバー犯罪が多発しています。サポート詐欺とは、架空料金請求詐欺の一種で、警察庁が発表した「令和6年(2024年)上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について(暫定値)」によれば、わずか半年間で認知件数は1059件と、架空料金請求詐欺の43.5%を占めます。
典型的な手口として、ブラウザにニセの警告画面を表示して不安をあおり、架空のサポート電話番号にかけさせてサポートの名目で金銭を騙し取ったり、スマホやパソコンに遠隔操作ソフトをインストールさせて個人情報を盗み取ったりします。
インターネットを閲覧していると突然、「ウイルスに感染しているので今すぐ下記のサポート電話に連絡を……」といった内容の警告画面が表示されることから始まります。その際、警告音が鳴ったり、ブラウザが閉じられなくなったりすることもあります。
警告画面に表示されている電話番号にかけてしまうと、電話の向こうで待ち構えているのは詐欺師です。
「危険な状態なので至急サポートする必要がある」などと言葉巧みに有料サポート契約と称して金銭を騙し取ります。この際、被害者にプリペイドカードを購入させるといった方法が使われるようです。また、サポートを装ってスマホやパソコンに遠隔操作ソフトをインストールさせ、個人情報を含んだデータを盗み取るなどの行動も報告されています。
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ニセの警告画面はブラウザごと閉じてしまえばOK
詐欺だと気づかない限り、悪意ある人たちに言われるがまま金銭や個人情報を奪われてしまう恐ろしいサイバー犯罪ですが、対策は単純です。実際にはウイルス感染などしていないのですから、警告画面を無視してそのままブラウザを閉じてしまえば良いのです。
もし通常の操作が効かない場合は、スマホ自体を再起動してしまいましょう。たとえばiPhoneなら音量ボタンのどちらか1つとサイドボタンを同時に長押しすると電源オフのスライドが表示されます。次にボタンをスライドして電源を落とします。その後、サイドボタンを長押しすれば電源が入ります。
一方、パソコンの場合はctrlキー、altキー、deleteキーを同時に押すと表示される画面で「タスクマネージャー」を選んで起動し、利用中のブラウザ(Google Chrome、Microsoft Edgeなど)を選択して右クリック→「タスクの終了」を選べばブラウザを強制的に終了できます。その後、あらためてブラウザを起動すればOKです。
なお、ニセの警告画面が表示されたときに見ていたWebサイトは、次から閲覧せず避けたほうが無難でしょう。何かしら悪意ある仕掛けが施されている可能性があります。特に、ページ内の広告をクリックすることで警告画面が表示されるケースが少なくないため、興味をそそられる内容の広告を目にしても、安易にクリックしてはいけません。
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