日本中央競馬会(JRA)は10月7日、永野猛蔵騎手と小林勝太騎手の2名を、スマートフォンの不適切使用により騎乗停止処分にしたと発表した。相次いで発生している同様の事案の最新例となる。
永野猛蔵騎手は、10月5日から6日にかけて東京競馬場の調整ルーム居室内に、小林勝太騎手は9月27日に美浦トレーニング・センターの調整ルーム居室内にスマートフォンを持ち込み、通信していたことが判明した。JRAはこれを重大な非行と認め、10月8日から裁定委員会の議定があるまで両騎手の騎乗を停止している。
今年に入り、スマートフォンの不適切使用による処分が相次いでいる。7月10日には、水沼元輝騎手が3月2日から5月26日までの間、複数回にわたり調整ルームにスマートフォンを持ち込み、Webサイトの閲覧や通話をしていたことが発覚し、2024年5月31日から2025年2月28日までの長期にわたる騎乗停止処分を受けている。
2023年4月23日には、福島競馬場と京都競馬場で計6名の騎手がスマートフォンを不適切に使用していたことが判明し、2023年5月13日から6月11日までの30日間の騎乗停止処分を受けている。
JRAが騎手の調整ルームへのスマートフォン持ち込みを厳しく禁止している理由は、公正な競馬の実施を確保するためだ。スマートフォンで外部と連絡を取ることで、馬の状態や競馬の内部情報が漏えいする可能性がある。また、インターネット閲覧により、不正な情報収集や賭けに関与する危険性もある。
これらの行為は競馬の公平性と信頼性を損なう可能性があるため、JRAでは厳格な規則を設けている。