ワールド・ワイド・ウェブ財団の共同創設者であるティム・バーナーズ=リー卿とローズマリー・リースは現地時間9月27日、財団の活動終了を発表した。
ウェブ財団によれば、2009年に設立された同財団は、当時世界人口の約20%しかウェブにアクセスできなかった状況のなか、ウェブの社会的側面を支援する唯一の重要な組織だった。
その後、ウェブへのアクセスは劇的に増加し、現在は世界人口の約70%がオンラインになったが、同時にウェブへの脅威も増大した。特に、ソーシャルメディアの支配的なビジネスモデルがユーザーデータの商品化と権力の集中をもたらしたという。
このことから、ウェブ財団の理事会は、個人のデータに対する力とコントロールを回復し、強力な協調システムを積極的に構築することに最優先で取り組むべきだと結論づけた。今後、ティム・バーナーズ=リー卿は、Solidプロトコル(個人のデータ主権を実現するための技術的フレームワーク)と、他の分散型システムに関するビジョンの実現に注力することになる。
これに伴い、ウェブ財団は2024年9月末をもって活動を終了することが決定された。共同創設者たちは、過去15年間の財団のグローバルな影響力を振り返り、同僚やNGO、政府、民間の資金提供者、そして支持者たちとのパートナーシップに感謝の意を表している。