辛さの調整を面倒くさがる人もいるかも?:
すき家のカレーが「まるで別人……」みたいに変わりました まろやかな “おうちカレー”から“激辛カレー”に変身できるのがすごい
2024年10月02日 19時00分更新
「やわらかチキンカレー」
すき家
10月1日発売
並盛790円
https://news.sukiya.jp/special/curry202410/
雰囲気も変わったし
激辛ソースが付くようになった
すき家のカレーが変わりました。かなり変わりました。
すき家は、10月1日から看板商品のカレーを“完全”リニューアル。新しいカレーは「おうちカレー」をイメージした甘口ルーを基本に、別添の「すき家の特製辛口ソース」で辛さを自由に調整できるのが特徴です。
▲カレー ミニ390円/並盛490円/大盛630円/メガ890円
ルーは、りんごやさつまいもなどの果物と野菜の甘みを活かし、じゃがいもとにんじんをごろごろと入れた家庭的な味わいに仕上げているとうたいます。
特製辛口ソースは、唐辛子やコショウを効かせたスパイシーな味わい。ボトルに記載された「辛さメーター」を目安に好みの量で調整できます。
▲辛さメーター
▲すき家の特製辛口ソース(テイクアウト)
トッピングとして
「やわらかチキン」も登場
▲やわらかチキンカレー ミニ690円/並盛790円/大盛930円/メガ1190円
新メニューとして「やわらかチキンカレー」も登場。炭火の香りとジューシーさが特徴の「やわらかチキン」をトッピング。なお、やわらかチキンは単品でも提供されます。
▲やわらかチキン 350円
今までのカレーと
こんなに変わっていいのかしら
さっそく、やわらかチキンカレーを食べてみました。
なんといっても、大きく変わったカレーですよね。おうちカレーという表現もちょっと古い感じがしますが(現代の“おうちカレー”ってそれなりに多様でしょうし)、野菜を多めに使った甘口のカレーであることはわかります。
マイルドな味わい、ごろごろした具材感、とろっとなめらかな口当たり。これまで販売されてきたすき家のカレーは、どちらかといえばシンプルな構成でスパイスで際立たせる感じだったのですが、大きく変わっています。
辛さは、ほぼありません。「辛くない」と言い切っても問題ない。それぐらいのやさしい味になっています。
「おいしくなって再登場!」「リニューアル!」などとチェーン店がうたうことはありますが、ここまでの変化となると……その決断はもちろんのこと、開発の苦労も相当なことだと思います。
リニューアルにあたっては「現行からターゲットを広げみんなに愛されるカレーを目指した」「1年以上施策した」とのことですが、その言葉にも頷けてしまうぐらい、味も外見もかなり大胆にリニューアルされているのです。
辛口ソースはけっこう味が変わるので注意!
もう一つの特徴は、特製の辛口ソース。これを使うことで、「おうちカレーが本格カレーになる」とすき家はうたっています。
基本的に「入れればカレーが辛くなるソース」と考えて差し支えないんですが、注意してほしいのは、それほど入れなくてもけっこう辛くなるんですよ。すこしずつ加えていったほうがいいです。最初にドバッと入れてしまうと、「ヒィ〜」となる可能性もないではない。
ただ、ちゃんとしているのは、入れても“ただ辛いだけ”にはならないところ。ソースを使って、かなり辛口にしても、甘味やコクが奥に残るといいますか。
だから、単調に辛さが増していくわけではなく、「おうちカレー」のまろやかな味わいから「本格的な辛口カレー」に変身するような印象を受けるのですね。このソースの作りは、素直にすごいと感じました。
カレーそのものの味の作りが大きく変わらないように、ソース自体も作られている。このあたりにも、カレーのリニューアルにかけるすき家の意気込みが見えてきます。
なお、テイクアウトだと「2辛」程度にできるサイズのソースが2つまで無料で付けられます。ソース自体の販売は今のところ予定にないとのこと。
やわらかチキンはマジでやわらかい!
新しくトッピングに加わったやわらかチキンは、すき家の得意技でもある、やわらか〜く調理されたチキンです。スプーン一つあれば十分というぐらいほろほろに崩れます。なんと食べやすいことか。食べるために手を汚すシチュエーションは考えにくいほど。
炭火で焼いたような香ばしい香りもあり、歯ごたえは強くなくとも主張の強さがあります。カレーの味がマイルドになったので、カレーと絡めてもお互いの良さを消し合わないのがよいですね。その点についてもよく考えられている印象を受けました。
みんなに愛されるカレーを目指したのはわかる
辛さ調整が面倒に思われないか心配
とにかく、「まるで別人……」みたいに変わりました。提供されたままで食べれば甘口のカレー、ソースをうまく使えば本格的な辛口カレーに変身する(つまり、辛さ調整は完全に食べる側に委ねている)ところも画期的かも。
筆者はこのリニューアルの発表会にも行ったのですが、そこでは「すき家は店舗数日本一の牛丼チェーンとなった。牛丼といえばすき家。それと同じぐらい、『カレーといえばすき家』となるようにまだまだがんばらないといけない」と力強く説明されていました。
そのために新カレーの構想として、「もっと多くの方に食べてもらいたい」味を目指したとのこと。確かに、それも納得できる味の変化といえましょう。
また、競合チェーンと戦っていく中で、やはり「牛丼」では違いをなかなか出しづらい。そこで、差を作りやすい「カレー」だからこそ思いきって冒険したという考えもあるかもしれません。
ただ、ソースを使って好みの辛さにする点が、慣れるまで難しいかもしれません。「ちょっとずつ足していって……」と言いたいところですが、それ自体を億劫に思う人もいそうです。
いっそ、最初から「これくらいの辛さです」と出されたほうがいいのでは、と思うところもある。リニューアルの背景には、「大人から子どもまで、同じ辛さで楽しめる」というコンセプトもあるようなので、一概には言えませんが。
ソースで辛さを調整できるとはいうけれども、そこを面倒くさがる人もいるのではないかとちょっと気になる、すき家の新しいカレー。どのように受け入れられていくのか、メディアとしても注目しています。
※価格はすべて税込表記です。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願いします。
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