日産自動車と赤ちゃん本舗は9月13日、子守り支援ロボットに車内の置き去り事故防止機能「マダイルヨ」を追加した。
猛暑の夏場に限らず、後部座席に幼児がいることを忘れて車を降りてしまい熱中症などで死亡させる事故は毎年何件も起きている。また、幼児の存在のを忘れただけでなく、用事が短時間だからと車を降りることで起きる事故も多く、日本自動車連盟(JAF)では定期的に注意喚起を行っている。
今回、車内の置き去り事故防止機能が追加されたのは、今年1月に発表された日産自動車の子守り支援ロボット「INTELLIGENT PUPPET イルヨ」(コンセプトモデル)。
イルヨは後部座席など子供の近くに置く大型の「イルヨ」と小さな「ベビーイルヨ」の2つで構成され、イルヨに搭載されたカメラが幼児の表情を捉えて寝ているか起きているかをチェック。保護者がベビーイルヨに話しかけることで音声認識が作動し、イルヨは動きとともに保護者の声を出して幼児をあやすことができる。本来は長距離ドライブといった子供が飽きてしまうような状況でも保護者がすぐに対応できないといったケースを想定している。
今回追加されたマダイルヨは、イルヨと保護者の持つスマホとワイヤレス接続。保護者が車を離れた状態で、なおかつベビーイルヨが幼児が車内にいるのを検知した場合はスマホに警告を表示させるというもの。
車への幼児置き去り事故が起きるたびにSNSなどでは両親の責任を問う声を見かけるが、子育ての忙しい生活の中ではちょっとしたミスが起きてしまうのはなかなか避けられない。イルヨおよびマダイルヨは、自動車メーカー側がテクノロジーを活用して、利用者のヒューマンエラーを防ぐための試みとしては評価したい(市販されていないので試みの段階ではあるが)。
日産自動車では「置き去り事故防止プロジェクト」と題して置き去り事故を防ぐための対策を紹介、SNSなどで発信していくという。