スマホで肥大化する大容量データを外付けSSDに逃がすのが思いのほか便利だった件(2024)

2024年09月17日 13時00分更新

文●平澤寿康　編集●北村／ASCII

提供: 日本サムスン

SSDならUSB 3.2 Gen1接続でも大容量データを短時間で転送できる

　はじめに、ポータブルSSD「T7」の容量1TBモデルを利用した場合の転送時間をチェックしていこう。ところで、T7の速度を最大限引き出すためには、付属のUSBケーブルまたは市販のUSB 3.2 Gen2対応USB Type-Cケーブルを利用し、USB 3.2 Gen2対応のUSBポートを備える機器に接続して利用する必要がある。

　それに対し、Galaxy Z Fold6とGalaxy Z Flip6が備えるUSB Type-Cは、いずれもUSB 3.2 Gen1準拠となっている。USB 3.2 Gen1の通信速度は最大500MB/sなので、T7の速度を最大限引き出せないが、どの程度の速度でデータを転送できるかチェックする。同時に、T7付属のUSBケーブルを利用せず、USB 2.0準拠のUSB Type-Cケーブルを利用した場合の速度も検証してみた。

　テストでは、内蔵ストレージに保存した100枚の写真と、撮影時間約30分の8K動画1つ、合計容量約17.1GBのデータを、標準ファイル管理アプリ「マイファイル」を利用して内蔵ストレージからT7に転送し、その時間をストップウォッチで計測した。計測は3回行ない平均を出している。なお、写真と動画はGalaxy Z Fold6で撮影したものを利用したが、公平を期すためにGalaxy Z Flip6でもそのデータを内蔵ストレージに転送したうえで計測に利用している。

静止画100枚、8K動画1つ、合計17.1 GB (18,422,532,930 バイト)のファイルをフォルダーごとT7に転送した時間
	転送速度	平均	3回目	2回目	1回目
Galaxy Z Fold6　→　SSD T7	368.89 MB/s	47秒	47.62	47.67	47.11
Galaxy Z Flip6 　→　SSD T7	367.50 MB/s	48秒	47.77	47.95	47.22
Galaxy Z Fold6　→　SSD T7 USB 2.0ケーブル接続	35.91 MB/s	8分8秒	488.02	486.66	488.22
Galaxy Z Flip6 　→　SSD T7 USB 2.0ケーブル接続	35.85 MB/s	8分8秒	488.62	487.92	488.79

　結果を見ると、Galaxy Z Fold6とGalaxy Z Flip6でほぼ同等の速度で転送できていることがわかる。T7付属のUSBケーブル利用時には、Galaxy Z Fold6で約47秒、Galaxy Z Flip6で約48秒で転送できた。わずかな差が見られるが、これはストップウォッチで手動計測したための誤差と考えてよく、同等の速度で転送できていると考えていい。

　実際の転送速度は双方とも368MB/s前後で、USB 3.2 Gen1の最大速度に届いていない。これは、Galaxy Z Fold6、Galaxy Z Flip6のUSBポートでは内蔵バッテリーの消耗などを考慮して電力と速度の最適化が図られている可能性があることや、写真と動画の合計101ファイルを一括転送する場合のオーバーヘッドの影響と考えられる。とはいえ、約17.1GBのデータを1分かからず転送できており、実際にテストしていても、とてもスピーディに転送できるという印象だった。

　それに対しUSB 2.0対応のUSB Type-Cケーブルを利用した場合には、双方とも8分8秒と、T7付属USBケーブル利用時の10倍以上の時間がかかった。この転送時間の差は、許容できるレベルをはるかに超えている。利用するUSBケーブルが違うだけでこれだけの差が出ることを考えると、今回利用したT7はもちろん、外付けSSDをスマートフォンに接続して利用する場合には、必ず付属のUSBケーブルを利用すべきだ。