OpenAIは次世代AIモデルの開発に伴い、より月額料金を引き上げたチャットAIサービスを検討しているという。米新興メディアThe Informationが現地時間9月5日に報じた。
報道によれば、現在の検討段階では、月額2000ドル(約28万円)という高額な料金設定も議論されているという。ただし、これはあくまでも内部での初期的な議論段階であり、最終的な料金設定はまだ決定されていない。
月額料金引き上げの背景にあると見られているのは、次世代モデルの開発・運用コストの増大だ。「Strawberry」や「Orion」などのコードネームで呼ばれている新モデルは、現状モデルの「GPT-4」よりもはるかに高度な推論能力を持つとされており、その開発と運用には莫大なコストがかかると予想されている。
一方で、OpenAIは企業向けサービスで着実に成長を遂げている。OpenAIでは現地時間9月5日、ChatGPT EnterpriseとChatGPT Team、そして教育機関向けのChatGPT Eduを合わせた有料ユーザー数が100万人を突破したと発表している。
月額料金引き上げの報道は、OpenAIがAIの開発と運用にかかる莫大なコストと、AIがもたらす価値のバランスをとろうとしているものと見ることができる。もし次世代AIモデルが人間を上回るようなビジネスパフォーマンスを見せるなら、メインユーザーは経営者などになり、月収28万円の「AIエージェント」を雇うような感覚になるのかもしれない。