グーグルが8月8日(現地時間)、大規模言語モデル(LLM)「Gemini 1.5 Flash」利用料金の大幅値下げを発表した。入力トークンの価格を78%、出力トークンの価格を71%引き下げる。新料金は8月12日から適用される。
Gemini 1.5 Flashは、高速で効率的な処理が可能なモデル。特に要約、分類、マルチモーダル理解などの高負荷・低遅延のタスクに適している。100万トークンという長大なコンテキストウィンドウを持ち、テキスト、画像、音声、動画などのマルチモーダルデータを処理できるのが特徴。
今回の値下げにより、Gemini 1.5 Flashの入力トークン価格は100万トークンあたり0.075ドル、出力トークン価格は0.3ドルとなり、業界最安値の水準となった。これはOpenAIの「GPT-4o mini」やAnthropicの「Claude 3.5 Haiku」などの競合モデルと比較しても競争力のある価格設定だ。
さらに、グーグルはGemini 1.5 FlashとProモデルの言語対応を100以上に拡大し、PDFの理解能力を向上。テキストだけでなく、グラフや画像を含むPDFも処理できるようになった(Gemini API、もしくはAI Studioを使用)。
8月7日(現地時間)には、OpenAIも最新モデル「GPT-4o」の料金引き下げと機能拡張を発表している。一連の動きは、AI市場における競争の激しさを示しており、他社のAIモデルとの価格競争が始まったとの見方もある。