国土交通省は8月2日、イベント開催時の移動需要増加と酷暑時の対応を強化するため、日本版ライドシェアの利用可能条件を拡大することを発表した。
日本版ライドシェアは本年4月にスタートし、現在17地域で運行が開始されている。さらに44地域で導入が検討中で、マッチング率は昨年度と比較して概ね改善しているという。
日本版ライドシェアが酷暑に対応
今回の拡大措置では、まず酷暑への対応が強化される。昨年の夏の平均気温が統計開始以来最も高く、今年も酷暑が予想されることから、「移動の足」の確保が重要となっている。そのため、酷暑が予想される日の気温が35度以上と予報されている時間帯に、日本版ライドシェアの車両使用を可能とする。
具体的には、前々日の10時時点で気温の予報が35度以上となった時間帯とその前後1時間が使用可能時間となる。
1回の使用可能時間が3時間以下となる場合には、当該時間帯の前後いずれか 1時間まで追加して使用が可能(計4時間まで)。
使用可能な車両数については、これまで使用不可であった時間帯では各営業区域において使用できる日本版ライドシェア車両の最大まで、これまでも使用可能であった時間帯では最大の2倍まで拡大される。
対象となる営業区域は、大都市部の12地域で、東京都特別区、横浜市・川崎市、名古屋市、京都市、札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、大阪市、神戸市、広島市、福岡市が含まれる。他の地域については今後検討していくという。
イベント開催時の輸送能力を向上
さらに、イベント開催時の対応も強化される。まず、タクシー不足への対応として、一時的な移動需要の増加が見込まれるイベント開催時においては、タクシーの営業区域外運送制度や貸切バスおよびタクシーによる一時的な乗合旅客運送制度が利用可能となる。
また、日本版ライドシェアについても、イベント開催時において使用可能時間帯と車両数の制限を緩和。イベント主催者または開催地周辺自治体から要請書が提出された場合、一時的な需要の増加が見込まれる時間帯に使用可能時間帯を設定し、要請書に記載されている不足車両数の範囲内で使用可能車両数を増やすことが可能となる。