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新連載 時代を動かすリーダーの箴言を読み解くー第1回

シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか

2024年08月05日 08時00分更新

文● 大河原克行 編集⚫︎ASCII

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経営理念・経営信条

 沖津社長兼CEOは、「大切にしているシャープならではの3つの言葉がある」という。

 ひとつめは、シャープ創業者である早川徳次氏の創業精神をもとにした「経営理念・経営信条」である。

 シャープが目指す姿を示したのが「経営理念」であり、経営理念を実現するために、全社員が堅持すべき信念や考え方を示しているのが「経営信条」である。

 沖津新社長は、「経営理念と経営信条を大切にしてこそ、真似される商品が生まれる。それによって、他社とは異なる視点で、独自の価値を生み出してきた『真のシャープらしさ』を発揮できると考えている」と語る。

日々努力 何糞

 2つめは、「日々努力 何糞(なにくそ)」という言葉だ。これは、「多くの試練を乗り越えてきた早川創業者の不屈の魂を示した言葉である」という。

 「私自身、入社以降、いくつもの困難に直面し、そのたびに、この言葉を心の支えに自らを奮起させ、乗り越えてきた。いままさに、シャープはこの魂を発揮する時である。私自身が先頭に立って、『何糞』の精神で困難に立ち向かっていく」との姿勢をみせる。

品質第一 私たちの心です

 そして、3つめが、「品質第一 私たちの心です」というシャープの品質スローガンだという。

 これは、沖津社長兼CEOが、課長時代に部品の品質問題を起こしたという苦い経験がもとになっている。

 「品質問題を起こした際に、費用面での損害については解決できたものの、企業として失った信頼を取り戻すには非常に長い時間がかかった。それ以来、私は品質を第一に考えること、そして、お客様に信頼いただくことが何よりも大切であるという思いを一層強くした。」とする。現在も、自身の居室には、このスローガンを掲げているという。

 そして、「品質は、単に商品に限った話ではない。様々な顧客接点において、高い品質の体験を提供し続けることが、シャープのブランドを創ることになる」とも語る。

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