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三浦貴大が“女性の貧困”をテーマにした社会派ドラマに真正面から挑んだ感想を語る

2024年07月23日 17時30分更新

文● 原田健 撮影●中川容邦

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「東京貧困女子。‐貧困なんて他人事だと思ってた‐」に出演した三浦貴大

 「第14回衛星放送協会オリジナル番組アワード」授賞式が7月12日に東京都内で開催され、ゲストとして三浦貴大が登壇した。

 同イベントは、衛星放送協会に加盟する各放送局が専門性を生かして企画・制作したオリジナル作品の魅力をより多くの方に知ってもらうことを目的に、他のメディアにはないオリジナリティーに富んだ有料・多チャンネル放送ならではの作品を讃え表彰するもので、三浦が出演したドラマ「東京貧困女子。‐貧困なんて他人事だと思ってた‐」(WOWOWプライム)が番組部門 ドラマで最優秀賞を受賞した。

 東洋経済オンラインでの連載が1億5000万PVを突破した中村淳彦による書籍「東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか」を原作としてドラマ化したもので、経済誌の契約編集者・雁矢摩子(趣里)が、相棒の風俗ライター・﨑田祐二(三浦貴大)と貧困女性たちを取材し、自らの目線や体感を通して、社会の矛盾や貧困問題の巧妙な仕組みを浮き彫りにする社会派ドラマ。

 今回、授賞式後の三浦にインタビューを行い、受賞の喜びやドラマ制作秘話、趣里との共演の思い出などを語ってもらった。

――受賞おめでとうございます! 受賞の感想は?

「こういった賞をいただけるとは思っていなかったので、本当にうれしいです。僕は役者として、この作品のメッセージ性というよりは、“(演じた)﨑田として生きること”が一番の使命だと思ってやっていましたので、なかなか作品全体を俯瞰で見ることができなかったのですが、作品としてこういう賞をもらえたということが、参加させていただいた一役者としても本当にうれしいです」

――女性の貧困という社会問題を真正面から扱った有料放送ならではのチャレンジングな作品ですが、最初に作品のプロットを聞いた時や台本を読んだ時の感想は?

「非常に難しいテーマだなと思いましたし、『この作品を観た人たちが何を感じて、どういう感想を持つのか分からないな』とも思いました。僕個人としては、こんな身近にそういった貧困問題があることに今まで気付いてなかったことに衝撃を受けるとともに、内容をかみしめながら読ませていただきました」

――海千山千の風俗ライター・﨑田という役をどのように作られたのですか?

「風俗ライターという職業だったので、役作りの一環として、そういった雑誌を読んで『こういう文章を書いているのか』といったアプローチもしました。そんな中で、やはり大事なところは『﨑田が何を世の中に伝えていきたいのか』と『当事者とどういうふうに関わっているのか』という気持ちの部分だと思ったので、そういったところを大切にして演じました」

――ぶっきらぼうでちょっと偏屈なところがある役ですが、演じた感想は?

「実はこういう役の方がやりやすかったりするんですよ。とても誠実な“ザ・好青年”みたいな役って、『いつも良い奴でいてほしい』っていう台本の圧みたいなものがあって、ちょっと自由にできない窮屈さがあるので(苦笑)。一方で、今回のような役は『しゃべり方を崩してもいいよ』『ぶっきらぼうでもいいよ』と、ある種の許可を出されている感じがして、やりやすさがあるんです」

――共演した趣里さんの印象は?

「趣里さんとは何度も共演させていただいて、夫婦役もやらせていただいたこともあるので、すごくやりやすかったです。とても信頼している役者さんですし、﨑田は摩子の成長とともに変わっていく役柄でもあるので、『摩子がこうくるなら、﨑田はこう返そうかな』という感じで趣里さんのお芝居に任せた部分もたくさんありました。そういう風に現場で実際に芝居を交わしながら作り上げていくことができ、自分だけの発想を超えた芝居の幅を広げられる役者さんなので、今回も刺激をもらいながら楽しくお芝居させていただきました」

――趣里さんとの撮影中のエピソードを教えてください。

「僕は人見知りのところがあって、リハーサルの合間とかにちょっとした芝居の確認をしたい時、初共演の方だとちょっと気負ってしまうのですが、趣里さんは何度も共演させていただいているので、すごく話しやすくて助かりました(笑)。お互いに『あのせりふ、ちょっと遅らせてもいい?』とか『近くに行くのがちょっと遅れるかも』とか、そういった細かい調整がスムーズにできました」

――何度も共演してきた三浦さんから見た趣里さんはどういう役者ですか?

「とにかく何の役でもハマる! あと、役者として一番必要な資質だと思っているのですが、“芝居に対して真面目”。すごくたくさんいろいろなことを考えている方で、共演していても『そこまで役柄って掘り下げられるんだ!』など刺激を受けることが多々あります」

――最後に改めて作品をご覧になる方にメッセージをお願いします。

「貧困というものが身近にあるということをぜひ感じていただきたいですし、僕自身もこの作品に関わらせていただいていろいろなことを考えたので、皆さんの“何かを考えるきっかけ”になってくれたらうれしいと思います。そして、見てくださった方がどんな感想を持たれたのか本当に気になっているので、ご覧になった方はぜひSNSの方に『#東京貧困女子』などを付けて感想を書いていただければ! 私が見ますので(笑)」

 「東京貧困女子。‐貧困なんて他人事だと思ってた‐」は10月にWOWOWプライムで再放送の予定。

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