末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第342回
AR/VRの長すぎる黎明期 「Apple Vision Pro」登場から6ヵ月、2024年Q1は市場はマイナス成長
2024年07月01日 10時00分更新
ソニーはPSVR2向けゲームの投資を縮小!?
このように、簡単には活気づかないのが現在のAR/VRヘッドセットの状況と言える。
市場が盛り上がる前に取り組みを縮小するかもしれないのがソニーだ。6月21日、Android Centralが、VRゲームの投資を縮小し、「PlayStation VR2」向けには2タイトルしかVRゲームを開発しない計画を近い筋からの情報として報じた(https://www.androidcentral.com/gaming/virtual-reality/sony-no-longer-cares-about-the-psvr-2-and-you-shouldnt-either)。ソニーは正式にコメントしていない。PlayStation VR2は2023年2月、PlayStation 5よりも高価な価格で発売した。今年3月には、在庫整理のために生産を中止したことが報じられている。
AR/VRはいまだに長い黎明期にある。Metaはメタバースに賭けてきたし、アップルも空間コンピューティングを育てていこうという数年前からの計画があるはずだ。ヘッドセットが重たいとか価格が高価という以外に、生成AIブームという予測できなかったトレンドの影響を受けているようにも見える。消費者の関心が生成AIに移り、ベンダー側もアップルの「Apple Intelligence」が良い例だが、AR/VRよりも優先して取り組む分野ができたという事情がありそうだ。
では、AR/VRの離陸はいつになるのか。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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