私にも刀の見方が分かる! 丸の内で開催中の「超・日本刀入門」に行ってきた
ここ数年、日本刀すなわち刀剣が人気です。私も刀剣が戦士へと姿を変え、合戦に出陣するゲームをやったことがありますが、どの刀剣もイケメンで「モチーフになった刀はさぞかし素敵なんだろうな」と思っていました。でもいざ本物の日本刀を見てもなんだかピンと来なくて…。
どの日本刀も見た目がシュッとしてかっこいいし、何でも切れてしまうと思うと畏怖の気持ちも起こります。でも、日本刀のどこを見ればいいのか、どう見たらいいのか、「鑑賞の仕方」がよく分からなかったんですよね。
そんな日本刀ビギナーにぴったりな展示「超・日本刀入門 revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ」が丸の内で開催中です。まるで私のために行われるイベントのようだ!と興奮したので、さっそく行ってきましたよ。で、結論から先に言いますが、正直これは日本刀ビギナーは全員行くべきイベントです!!
今さら聞けない「日本刀の見方」
6月22日(土)から8月25日(日)まで、丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で「超・日本刀入門 revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ」が開催されています。
この展示は、静嘉堂文庫美術館が世田谷区岡本にあった頃に開催された「超・日本刀入門」のリバイバル。折からのブームで日本刀自体を鑑賞する機会は増えましたが、「日本刀をあまり見たことがない」という人もまだまだ多く、そんな初心者に向けて、どのようなポイントを押さえれば楽しく見られるのかを教えてくれる入門者向けの展示となっています。これこそまさに私が求めていたイベント!
展示では、鎌倉時代の日本刀を中心に「日本刀の種類」「名刀のいずるところ」「きら星のごとき名刀たち」「武将と名刀」と4つの章に分けて、国宝や重要文化財を含む23振を見ることができます。
まずは刀の部位と刀の種類を知る「日本刀の種類」
「日本刀の種類」展示室では、刀の部位や「そもそも太刀と刀(打刀)ってどう違うの?」といった基本的な説明がメイン。私は「太刀」と「刀」の違いについて、同じものを表しているけれど方言のように言葉が違うだけかな?と思っていました。みなさんはその違いが何かを知っていますか?
実は、太刀と刀は「携行の仕方」が違うんですって! 太刀は刃を下に、刀は上に向けて身に着けていたんだそう。抜いた後の所作のイメージから、刃はどれも下に向けているものだと思っていました。
ここでの目玉は「太刀 銘 備前國宗安」と「短刀 銘 國光」。ともに重要美術品に認定されており、どちらも鎌倉時代に作られたものです。私もさっそく見るべきポイントを踏まえたうえで鑑賞。どこを押さえたらいいかが分かるだけでも非常にありがたいです。
織田信長の朱鞘の太刀に、直江兼続の美麗な刀
ほかの展示室では、国宝や著名な武将が使っていた日本刀を見ることができました。ここでも1振ずつに見どころ解説カードがついています。これ、本当に助かるんですよ。もし解説がなかったら、私は一通り全体を見たあとどうしたらいいか分からなくなって、光が反射する刀身の美しさだけを見ていたかもしれません。
なんと織田信長に仕えた武将、滝川一益の所持した「太刀 銘 高綱」も展示されています。朱塗りの鞘の外装は信長のオーダーで作られたと考えられていて、一益が信長から拝領したものとのこと。重量感があって、力強さが伝わってきます。
私が一番かっこいいと思ったのは、直江兼続の所持した「刀 大磨上げ無銘(号 後家兼光)」という一振り。全体の姿がまず美しくて、ゆるく波打つ刃文もとても鮮やかな印象を受けました。直江兼続といえば兜に「愛」の文字を付けていた武将、というイメージがありますが、そういう優美なものが好きだったんでしょうか。
ほかに刀に付ける飾り「刀装具」や、重要文化財の「木造十二神将立像」なども見ることができます。
日本刀の知識はほぼゼロでしたが、見るべきポイントを分かりやすく教えてくれる展示内容になっていて、静嘉堂文庫美術館を出るころにはなんとなく日本刀のことが分かったような気になりました。今回の展示を担当した学芸員の山田正樹さんも、「見終わった頃に刀のことを知った気分になってもらいたい」とおっしゃっていたので、私のような人のためにある展示と言ってもいいかもしれません。
私は解説の中でも比較的分かりやすそうな刃の部分を注視していましたが、日本刀は産地を見たり刀工ごとの特徴を見たりと、見るところがたくさんでとても奥深い世界。会期中にもう一度行って、今度は刃以外の部分もじっくり楽しんでみたいと思います。
超・日本刀入門 revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ
会期:6月22日(土)~8月25日(日)
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
休館日:毎週月曜(ただし7月15日、8月12日は開館)、7月16日(火)
開館時間:10:00~17:00(毎週土曜日は18:00まで、第3水曜日は20:00まで)
入館料:一般¥1,500、大高生¥1,000、中学生以下無料
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