新機能「ノートブック」の使い方を解説
Bing Copilotは2000文字、Windows 11のCopilotは4000文字まで入力できる。一般的な指示や数個の例示を入力する程度であれば、十分足りることだろう。しかし、記事全文や議事録の文字起こしなどを一気に入力し、その内容についてAIで処理してもらおうとすると足りなくなってしまう。
そんな中、Bing Copilotに「ノートブック」という機能が追加された。通常のCopilotとは異なり、最大1万8000文字のプロンプトを入力できるというのだ。ただし、チャットではなく、上部にプロンプトを入力し、下部に出力が表示されるようになっており、チャットのようにやりとりすることはできない。
早速、長文をきちんと認識して、AIが処理できるか試してみた。走れメロスの全文1万176文字、GPT-4では1万1490トークン分のてきすとを貼り付け、要約させてみた。さらっと知っている内容をまとめられては意味がないので、本文を10分割してそれぞれを要約してもらった。時間はかかったが、ばっちり要約してくれたので、1万トークンは余裕で扱えることがわかった。
マイクロソフトのBingやCopilotの製品責任者であるJordi Ribasは、X(旧Twitter)で想定していない出力になったり、うまくAIが動作しなくても、上部にプロンプトが残っているので手軽に修正できると紹介している通り、再トライしやすいのはありがたい。
Notebook is now shipped in https://t.co/FsGnvZLtYd, on both PC and mobile browser. It’s a new interface for crafting, improving, and revising your prompts without chat dialogue. Ideal when you need to iterate on a prompt to get the best result. It supports up to 18K characters. pic.twitter.com/hf8r0O90E3
— Jordi Ribas (@JordiRib1) February 22, 2024
次は、1万8000文字の威力を試そうと思ったのだが、1万2000文字ぐらいからもうまく動作しなくなった。「最後のプロンプトが中断されたようです」と表示されてしまうのだ。1万文字程度まで減らすと動作してくれるようになる。
また、大きな出力を求めると、それでも動作しなくなる。例えば、講演の録音から生成した8000文字の文字起こしテキストを入力し、ケバ取りをするように依頼してみた。
テキスト整形レベルはなかなかのもの。誤字脱字も修正してくれるし、句読点もきちんと入れてくれる。しかし、2000~2200文字くらい出力した時点で処理が止まってしまう。こちらはエラーが表示されるのではなく、処理が勝手に止まり、フォーム外に処理を終了したメッセージがバグって表示されてしまう。
とは言え、GPT-4を使っているとわかるが、これらの挙動は想定内。高性能なGPT-4を無料で使えるのだから、トークンを絞るのは仕方がないところだろう。数千文字から1万文字のテキストを要約すると言った用途には十分使えるので活用するのはあり。文字数に限らず、Copilotで動作するプロンプトを研究するのにも便利だろう。
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