コンシューマー向けパソコンで培ったノウハウで、法人需要もさらに伸ばす
今後のサードウェーブはより法人&AIに注力、取締役社長は尾崎氏から井田氏に
2024年06月19日 20時00分更新
サードウェーブは6月19日に「人事および来期事業方針に関する記者発表会」を開催した。
代表取締役社長 CEOの尾崎氏は会長兼CEOに
現副社長の井田氏が後任
発表会ではまず、サードウェーブ 代表取締役社長 最高責任者の尾崎 健介氏が登壇し、8月1日より自身が代表取締役会長兼CEOに就任すると発表。取締役社長の後任は現副社長の井田 晶也氏となり、井田氏は取締役社長兼COOになるとのことだ。
尾崎氏は今回の人事について「サードウェーブは今後、エンタープライズ市場においてより事業を拡大していきます。その際に、BtoBの市場をよく理解していて、市場全体を見る目を持つ人間が会社を引っ張っていくべきだと思い、判断しました」と説明。
また、新人事以降も事業方針を決めるのは尾崎氏とのことで、その理由については「現在はサードウェーブのみならず、グループ会社においても構造改革中です。また、ファイナンス事業も行なっていまして、どうしてもパソコン事業に直接かかわらない部分でも会社構造の変更が必要になってきます。これを移管している最中というのが、一番の理由です」と話した。
より一層BtoB事業に注力。さまざまなニーズに応えるテーラーメイドパソコンを用意し、短納期で手配
続いて、井田氏が登壇。まずは、同社が2021年から23年までにおいて増収を続けてきたことを報告。そのうえで、同社を日本で一番のパソコンメーカーにしていくことを目標に掲げ「尾崎社長が設立40周年までに築いた可能性や潜在能力を駆使して、未来を開放していきます」と話した。
また井田氏は、これまではとくにeスポーツやPCゲームといった分野や、クリエイター・デザイナー市場などに注力し、GALLERIAのラインアップを拡充させてさまざまなユーザー様にお使いいただけるように展開してきました。加えて小売店の継続的な店舗展開、文教におけるハイエンドパソコンの訴求についても力を入れてきました。こちらは今後も積極的に展開していきますが、今後より注力したいのがBtoB分野です」と説明。
続けて、「今後は組織体制を強化して、CADやゲーム開発、サウンドプログラミング、映像分野などに注力していきます。さらに、AIについてもより一層力を入れていきます。生成AIもそうですが、全般としてチャンスがあると考えています。そのために、マイクロソフトやインテルといった企業様と強力なパートナーシップを結び、AIの普及に注力していきたいと考えています」と
戦略としては、これまでコンシューマー事業で培ってきたテーラードパソコン(BTOパソコン)のノウハウを、法人向けパソコンにも一層組み込んでいき、企業ごとに異なるAIのニーズに合わせたパソコンの提供を実施していくという。加えて、綾瀬の生産工場とカスタマーセンター、平塚にある物流センターを主軸とし、全国に短納期で国産パソコンを展開していくことも強みとのことだ。
ワークステーションをパッケージ化して展開
より強固なパートナーシップとのエコシステムを構築
さらに、AI事業としてはワークステーションをパッケージ化しての展開も予定。そのほか、サステナビリティーに考慮した施策として、リファービッシュパソコンも拡充していき、資源の有効活用も実施していくそうだ。
最後に井田氏は、「AI事業においては、世界ではデータセンターへの移行の動きが大きいですが、日本ではオンプレの需要がまだまだあると考えています。そこで今後はさまざまなパートナーとエコシステムを構築していくことにチャレンジし、“法人のサードウェーブ”“法人のratrek”というものを確立していきたいと考えています。そのために、法人に向けて組織体制をしっかりと進めていき、3年で法人の売り上げを2倍に、総売り上げ1000億を目指します」と話し、発表会を締めくくった。
今後はコンシューマー事業だけでなく、より一層法人事業に注力していくというサードウェーブ。7月には法人向けパソコンの製品向け発表会も実施予定とのことで、ゲストスピーカーも登壇するとのことだ。パソコンとAIの関係性がどんどん濃くなっていく昨今、より一層注力していくというサードウェーブ。今後どのような事業展開をしていくのか、気になるところだ。