小さくても実用性は十分だから困る
まず性能は必要十分。そして使いやすい。これが一番の落とし穴と言えましょう。
内蔵バッテリーの充電はUSB-Cで、満充電まで約20分。700 x 25Cタイヤを80PSI / 5.12気圧に上げるまでの時間は90秒程度で、1回の充電で2本充填できるとメーカーは言っています。実際に使ってみても、これはだいたい合っています。
圧送できる空気圧の上限は100PSI / 6.9気圧まで。これ以上はポンプのパワーが負けて入りません。ひと昔も前ならギリギリ実用にならない性能ですが、エアボリュームが増して3〜5気圧程度で運用されている現代のロードバイクなら問題ありません。
驚いたのはチューブレスタイヤのビード上げという、自転車用としては最も重い作業もこなせたこと。ブースターに空気を溜めなくても、携帯用ポンプ単体でできてしまうのですからびっくり。誰もいない大草原のど真ん中でビード上げができてしまうのですから、一時期はチューブレスタイヤのパンク対策として、スペアのチューブではなくタイヤそのものをバッグに入れていたくらいです。
ただ、これはホイールとの相性にもよるでしょう。私はシマノのカーボンホイール「WH-RS710-C46」に、コンチネンタル「GP5000STR」の30Cと32C、IRC「FORMULA PRO HL TUBELESS RBCC」の30Cでビードが上がることを確認しています。 さすがにMTBのチューブレスは無理でしたが、細いロードバイクのタイヤなら何とかなる場合もあるということです。
つまるところポンプに求められることは大抵できてしまう。繰り返しますが、それが大きな穴なのです。
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