「altBRAIN」でバーのマスターをAI化できるか試してみた
一方の「altBRAIN」は、「BRAIN」と呼ばれるAIチャットボットと対話できるサービスだ。たとえば、織田信長やアインシュタイン、坂本龍馬といった有名人と話をしたり、ゲームの攻略や料理のレシピなどを教えてもらったりできる。アカウントを作成すれば、誰でも無料で利用可能だ。
例えば、「織田信長BRAIN」に「得意な戦術は?」と聞いてみると、よしきた!と3つの戦術を提示してきた。それらしい会話ができるのが面白い。また、これらのBRAINはLINEやSlack、Discordなどと連携し、他のプラットフォームで利用することもできる。
もちろん、ビジネスでも活用も進んでいる。altBRAINのサイトでは、野村証券やJR西日本、東急不動産などのFAQのデモBRAINが公開され、実際にサービス内容などについて質問できるようになっている。
自社でBRAINを作ることもできる。ライトプランは月額20万円、スタンダードプランは月額50万円だが、フリープランも用意されているので気軽にトライアルできるのは嬉しいところ。実際にオリジナルのBRAINを作成してみた。
altBRAINのメイン画面で「Develop」をクリックし、「新しいBRAINを作る」をクリックすると作成画面が開く。まずは、「基本情報の設定」でBRAIN名や最初に出力する文章、概要、言語モデルを設定する。言語モデルはLHTM-2の他、OpenAIのGPT-4やGPT-3も選択できる。
「テキスト情報の入力」でAIへの指示やソースのアップロード、FAQの設定などを行う。これらの設定が、AIの挙動や回答の内容を左右する。
今回は、飲食店での利用を想定。顧客との対話の中から適切な商品を勧めるというものだ。もちろん、自社のメニューから提案しないとトラブルになる。そこで、扱っている商品のデータベースを作成し、CSVファイルでアップロードした。名前と価格以外に、特徴やマッチするつまみなどのデータも用意しておく。
特に、プロンプトエンジニアリングのようなことはせず、一人称や文体、対応する内容、出力フォーマットなどを文章で入力した。
「チャットを試す」をクリックすると、その時点の設定で使い勝手をテストできる。きちんとアップロードしたデータベースを元に回答してくれ、扱っていないお酒を勝手に紹介することもなかった。
質問によっては間違った回答をすることもある。そんな時は、その質問と回答をFAQとして登録しておこう。BRAINはその質問に関してはFAQの内容を優先して回答するようになる。一問一答だけでなく、複数のFAQに関連する質問にも自然な文章でまとめて回答してくれる。
今回は飲食店向けだが、企業の問い合わせ窓口でも活用できそうだ。社内向けのITサポートや総務への問い合わせも肩代わりできるだろう。もちろん、その際は有料プランの契約が必要になる。
以上が、オルツのCLONEdevおよびaltBRAINのレビューとなる。人間のAIクローンを生成するというオルツのチャレンジはすでに一定の効果を挙げている。デジタルの世界でAIクローンが働きだす未来も遠くなさそうだ。